このブログではJonathan Little(ジョナサン・リトル)のYouTube動画を紹介してきました。
前回15作目は「How to read your opponent’s HANDs」(by Brad Wilson)
>>対戦相手のハンドの読み方
今回16作目。
「When to Continuation Bet with Huge Sizes!」
コンティニュエーションベット(CB)で大きなサイズを使うとき
参考にした動画はこちら。
(2022年8月公開動画)

この動画では、CBを大きく打つことで利益を得る3つのスポットを解説しています。
- ダイナミックボード
- ディープスタックのとき
- コーリングステーションに対するエクスプロイト
いつ、どんな方法で対戦相手に最大限の圧力を与えられるのか。
どんなタイプのハンドのときにCBを大きくすればいいのか。
大きいサイズのCBのスポットと使い方を学んでいきましょう!
CBの基本
大きいサイズのCBを使いこなす前に、まずは基本的なCBを抑えておきましょう。
一般的なCBのルール
- ボードとあなたのレンジがあっているときに、よりCBを打つ
- ナッツアドバンテージが多いほど、大きなサイズのCBが使える
例えばUTGオープンでBBがコール。
「AJT」などの大きなカードがフロップで来た場合、UTGは「AA・JJ・TT・KQ・AJ・AT」などのナッツをレンジに持っているのでCBを打つ傾向があります。
「764」などのときは、UTGはよくてセットやオーバーペアなのですが、対戦相手はストレートの可能性が増えてくるのでCBは控えめな傾向があります。
CBについて基礎知識はこちらをどうぞ
>>フロップのベットについて(ジョナサン・リトルの動画まとめ)
CBを大きく打つスポット①ドラマティックボード
例えば、「873」、「852」、「KJ7」など。
ボードではストレートが完成していない状況ですが、ターン・リバーとストレートが完成したり、フラッシュドローがあればフラッシュが完成するようなボードです。
ダイナミックボードで大きなCBを打つ具体例を見ていきましょう。

2つの例を見てみましょう。
ダイナミックボードの具体例①
あなたはUTGで「J♠9♠」をオープン。
BBはcall。
フロップ「8♣7♠3♦」
このボードはダイナミックボードです。
フロップではまだストレートは完成していません。
オーバーペアを持っているならばフロップで打ちたい場面。
ターンの一枚でナッツが大幅に変わるドラマティックな展開になるボードだからです。

「99」より上のポケットペアや、「K8s」などは大きくベットするのに良いハンドです。
あなたのハンド「J♠9♠」もガットショットとバックドアがあり、オーバーカードでもあるので打ち込むのに良いハンドです。
(「T9s、J9s、JTs」のバックドア持ちも良いハンド)
「QJ」など、コネクトしていなくてただのオーバーカードの場合はチェックしたい場面です。
UTGがポットサイズのCBを打つと、BBはフォールドしました。
GTO分析から
(動画にはありません)
「6MAX、100bb、general、nl500」でGTO分析からみてみます。
UTGオープン、BBコール。
フロップ「873」レインボーの場合。
UTGはCB率74%。
「オーバーベット2%、0.76xベット11%、0.5xベット22%、0.33xベット29%」
比較的大きいベットが多いシチュエーションです。
これに対応する形として、フロップの時点でストレートが完成できるボードだった場合をみてみます。
UTGオープン、BBコール。
フロップ「876」レインボーの場合。
UTGはCB率48%。
「オーバーベット1%、0.76xベット1%、0.5xベット14%、0.33xベット33%」
BBのドンクベット率45%。
ボードの3が6に変わるだけで、UTGやBBの対応はかなり違ってきます。
フロップの時点でストレートやフラッシュが完成できるボードはダイナミックボードではないので、注意が必要です。

ダイナミックボードの具体例②
あなたはCOで「T♥T♣」でオープン。
BBコール
「8♠5♦2♥」
このボードもダイナミックボードです。
もしスートが2枚だったら、もっとダイナミックよりになっていました。
オープンエンドやオーバーペアなどは大きく打ちたい場面。
COはポットベット(1x)
BBはcall
【GTOウィザードではこのシチュエーションの「T♥T♣」のベット比率「0.76xベット6%、0.5xベット30%、0.33xベット43%」です。
もしフロップでスートが2枚あったとするとベット比率(約)「0.76xベット20%、0.5xベット30%、0.33xベット35%」と、より大きなサイズが増えます。】
ここでBBがコールしたことによりハンドを絞り込みます。
オープンエンド、8ヒット、5ヒット、2ヒットが濃厚。
ここで問題を挟みます。
CO「T♥T♣」
ボード「8♠5♦2♥Q♥」
ターンであなたはどうしますか?
- スモールベット
- ミディアムベット
- ラージベット

フロップでポットベットをしてなければ、怖いなって思うところだけど…
動画ではミディアムサイズのベットを打つとありました。
(※ここではBBのタイプ判断は行ってません)
ボードにQがでてきましたが、このQはそこまで心配に及びません。
ポットベットにコールできるハンドにQはあまり含まれていないからです。
Q♠J♠とQ♦J♦の2つが怖いくらい。
【GTOウィザードで見てみるとQJのコール率も低め。QQ、JJ、Q8、Q5、Q2、AQがBBに残っている怖いハンドです。】
ミディアムサイズで続けてベットしましょう。
0.6xサイズでbetしたところ、BBはcall。
リバーは「5♠」。
5はCOにとってとても悪いカード!
BBのコールレンジに5はまだ残っているからです。
ここはチェックすると、あいては「8♣7♣」でした。
それでも、COは大きめなポット獲得です。
ターンのハーフサイズベットに5ヒットでもコールする可能性はあるので、ここはリスクをさけてチェックです。
もしターンでも打つとしたら、BBからチェックレイズが返ってきた場合にフォールドを考えておかなければいけません。
多くの人はチェックレイズブラフができません。
CBを大きく打つスポット②ディープスタックのとき
もしあなたがディープスタックの時、あなたが大きなベットで始めれば見返りも大きくなります。
バリューを逃さないようにしてください。
ディープスタックの時は3betや他のベットサイズも大きくなる傾向があります。
ここでも具体例で見ていきます。
ディープスタックで大きくベットする具体例①
あなたはUTGで「J♥T♥」でオープン。
BBコール。
フロップ「A♥Q♠7♣」
このフロップは、レンジアドバンテージとナッツアドバンテージがUTGにある状態です。
こちらにセットも、2ペアも、ドローも、数多くあるシチュエーション。
「J♥T♥」はガットショットとバックドアが付いているので、大きくベットしても良いハンドです。
【「6MAX、100bb、general、nl500」でGTO分析をしてみます。
「J♥T♥」は「1.24xベット14%、0.76xベット25%、0.5xベット34%、0.33xベット27%」
このフロップはUTGがほぼ100%でベット。100bbのスタックであっても、大きなサイズが多くなっています。】
UTGがポットベットするとBBはコールしてきました。
A持ち、Q持ち、7持ち、ドローが考えられます。
ターンで「K♠」が落ちました。
スーパーナッツ!ストレート完成!
ここは大きく打ちたいところです。
1.1x(ポット110%)サイズのベットを打ちました。
大きく打つからにはブラフ候補を考えなければいけませんが、候補としてはT♠9♠、T♠8♠、AQ、AK、A♠7♠、セットなどがあります。
相手はコール。
おそらく2ペアや、ワンヒット+フラッシュドローが多いのではないかと推測できます。
リバー「5♣」
リバー「5♣」はUTGにとても良いカード。
相手はチェック。
UTGはリバーでオールイン!
BBはヒーローコール!!
BBは「A♣7♦」でフロップで2ペアでした。
もしフロップで小さいサイズを打っていたら、レイズをされていたかもしれません。
他にも、ターンのオールインは人のタイプ読みも入っていて、スモールステークスのコーリングステーション傾向の人が2ペアを作っていた場合に、降りるのは困難かもしれないと話していました。
ディープスタックで大きくベットする具体例②
UTG「K♠T♠」でオープン
BBコール
フロップ「K♣T♥7♦」
UTGは2ペア完成!
セットや2ペアやオーバーペアはフロップで大きなサイズを使いたいシチュエーションです。
UTGは0.7x(ポット70%)ベット
BBはコール
【「6MAX、100bb、general、nl500」でGTO分析をしてみます。
このフロップはUTGのCB率80%。
「K♠T♠」は「1.24xベット9%、0.76xベット34%、0.5xベット40%、0.33xベット17%」で大きいサイズ傾向】
ターン「2♦」
UTGは1.5xベット!
BBはコール。
ターンで♦が落ちたことによって、バックドアの♦で追っていたドロー、ワンヒット+♦ドローなどが大きなベットでも続けてコールしてきています。

リバー「2♠」
このカードはあまりBBのハンドに絡んでいるとは考えられないので、こちらにとって良いカードです。
Kヒット+トップキッカー、K7の2ペアなどならコールしてくれると推測。
UTGはオールイン!
BBはコール。
相手はK♥Q♥でトップヒット+トップキッカーでした。
多くの人はポットオーバーベットを使うことを居心地悪く思います。
今回のリバーもポットの0.5xベットなどが多用されるでしょう。
が、私たちはノーリミットホールデムをプレイしていることを忘れないでください。

CBを大きく打つスポット③コーリングステーションに対するエクスプロイト
コーリングステーションはあなたが彼らを「よりよく」してくれると思っています。
なので、彼らはあなたを信じてないし、簡単にコールすることであなたを打ち負かしたいと思っています。
彼らを打ち負かす方法は、バランスを崩すことです。
あなたのバリューハンドのサイズをアップ、そしてマックスバリューをとりましょう。
小さく打つことをやめて、ブラフすることを控えます。
あなたは良いハンドでプレイしましょう。
多くの人は、コーリングステーションは絶対にフォールドしない、と言います。
コーリングステーションに対するエクスプロイト
- バリューのサイズアップ
- 小さく打つことをやめる
- ブラフを控える
コーリングステーションに対するエクスプロイトの具体例
HJ「6♠6♣」でオープン。
BBコール。
フロップ「Q♠J♠6♦」
この時点であなたはセットを手にしました!
BBコールなので、QQの可能性は低く、この時点ではナッツに近い状態です。
リバーでオールインになるように意識していきましょう。
>>ジオメトリックサイズとは
ボード「Q♠J♠6♦2♦7」
フロップ0.75x、ターンポット0.8x、オールイン!
【ちなみに、GTOウィザード分析「6MAX、100bb、general、nl500」でも大きくベットするボードです。
HJのCB率85%。
HJ「6♠6♣」「1.24xベット44%、0.76xベット32%、0.5xベット19%、0.33xベット5%」】
ここで失敗しやすいポイントは、リバーでオールインではなく0.3x(ポット30%)などの小さいサイズでベットすることです。
【GTOウィザードでも、フロップ0.75x、ターン1.25xの場合、リバーで2xのオールインが選ばれていました。(ほぼ100%)】
相手を読んで、ここは大きくベットしていきましょう!
Qヒット、Jヒット、ドロー崩れのAハイでもコールしてくれるかもしれません。
結果、BBはコール!
BBのハンドは「J♣T♦」でした。
CBを大きく打つスポットまとめ
CBを大きく打つスポットをまとめます。
Cベットを大きくする3つのスポット
- ダイナミックボードのとき
- スタックが深いとき
- コーリングステーションと対戦しているとき
大きく打つときに気を付けたいのが、ボードの特徴、ポジションのレンジ、相手のタイプです。
