CBの仕組みとは(脆弱なナッツの定理も紹介)|GTOウィザード動画から翻訳まとめ

GTOウィザードといえば、GTOを学ぶための解析ソフトです。

(ここからGTOを登録すると10%割引になります)

GTOウィザードのYouTube動画はすべて英語なので、ブログで翻訳してそのまとめを紹介していきます。
(あくまでも個人のまとめであり、わかりやすさを重視してまとめています。そのままの内容を理解したい方は動画をどうぞ。特にカッコ内で示されている言葉やキャラクターのセリフは翻訳ではありません。)

今回紹介するのは、

The Mechanics of Cbet Sizing
コンティニュエーションベット(CB)サイズの仕組み

参考にした動画はこちら。

この議題はある種の物議をかもしだすかもしれません。

いきなり興味深い発言!

みんなが違った意見をもっているからです。

なぜベットすべきなのか。

なぜそのサイズなのか。

私はその一般的なヒューリステック(経験からくる発見的手法、偏見や先入観がある)の議論を終わらせます。

個人的なリサーチや実験を用いて。

すごく楽しみ!!

概要

  • 一般的なヒューリスティック
  • ウェットボードとドライボードのサイジングパラボラ
    パラボラ⇨放射線、放射線系のもの
  • サイズに影響する要因
  • 脆弱なナッツの定理
    脆弱⇨ぜいじゃく、もろくて弱いこと
  • ジオメトリックなトイゲーム
  • レンジ構成とSPR
  • レンジが中間の強さだったらサイズにどのような影響をあたえるのか。
  • ペアボード、モノトーンボード、中間ボードの実験
目次

CBを決める要因はなに?

クイズから始めましょう。

何がベットサイズを指示しますか?

この中から一つ選んでください。

  • ナッツアドバンテージ
  • レンジアドバンテージ
  • ポラライズ
  • フォールドエクイティ
  • スタックとポット比(SPR)
  • ドローエクイティ

この質問は動画で投票形式をとりました。

結果は、ナッツアドバンテージが最もここで票を獲得。

次に、レンジアドバンテージとSPR。

実際にはすべてがある程度その要因になっています。

しかし、いつもはっきりしません。

それがどのように働くのか

もやもやを解き明かしていくよ!

もっとも基本的なヒューリスティック(経験則、定説)

投票で多かったナッツアドバンテージとレンジアドバンテージは一般的にどのように定義されているのでしょうか。

ナッツアドバンテージとは

ナッツアドバンテージはレンジのトップに位置するハンドをより持っている状態

ナッツ

レンジのエクイティグラフでみると、レンジのトップの方の差のこと。

ナッツに対して対戦相手の多くはブラフキャッチャーをもっている状態です。

レンジアドバンテージとは

レンジアドバンテージはエクイティアドバンテージのようなもの。

レンジの上位半分のハンドが相手のハンドよりも上に位置する状態。

レンジアドバンテージ

レンジのエクイティグラフをみると、相手の線よりもほぼ上の方に位置しています。

  • ナッツアドバンテージ
    ⇨レンジのトップに位置するハンドをより持っていること
  • レンジアドバンテージ
    ⇨エクイティアドバンテージ。
    レンジの上位半分のハンドが相手のハンドよりも上に位置すること。

定説では、ナッツアドバンテージがベットサイズを指示して、レンジアドバンテージは頻度を指示していると言われています。

けれど、それはとてもおおざっぱな定説で、いつも正しいとは限りません

それでも、もっとも基本的なヒューリスティック(定説)から始めてみましょう。

定説は正しいのか実験で確かめる方法をとっていくよ。
そのために、まずは定説を確認!

CBの一般的なヒューリスティック(経験則や定説

プレイヤーのレベルから、よく言われているCB(コンティニュエーションベット)の定説を可視化します。

とても基本的なフロップでのCBレベル

  • レベル0
    すべてのボードで小さいCB。
  • レベル1
    ドライボードでは小さいCB。
    ウェットボードでは大きいCB。
  • レベル2
    ドライボードでは小さいCB、ウェットボードでは大きいCB。
    とてもウェットなボードでは小さいCB。
  • レベル3
    ボードテクスチャ、SPRやポジションによってCBを決める

多くの人々は学んでいって、これらの特徴を活かしていきます。

実際にプレイヤーレベルを見るとこのような特徴があるし、ボードもこのような傾向があります。

これで決めるのも良いことです。

経験則も認めているってことだね

けれど、なぜ特定されたベットサイズが好まれるのか?ということを説明していません。

理論の根拠はソルバーを使った実験から収集できます。

暗記でもいいけど、その答えが示す謎にせまってみたい!

ウェットネスパラボラ

経験則から発見された「ウェットネスパラボラ」を見ていきましょう。

プレイヤーレベル1とレベル2の違いは「とてもウェットなボードではサイズを小さくする」でした。

一般的に言われていることをグラフにします。

パラドックス

通常、とてもドライなボードでは小さいサイズのCB。

そこから、ボードがよりダイナミックになり、もっとドローが増えるとCBサイズは大きくなります。

さらに、ボードがウェットになりすぎると、再びCBサイズは小さくなり始めます。

経験則や学びからこのグラフ(パラボラ、放射線)に似た打ち方になるからです。

経験則からくるCBサイズの基礎はある程度本当です。

が、あきらかに単純化しすぎています。

理論をつかんでいきましょう。

問題です。

なぜボードがウェットすぎるとベットサイズは小さくなるのでしょうか。

  1. 引くアウツによって多くのエクイティが変化するから
  2. 中間的な強さの手がたくさんあるから
  3. たくさんのナッツハンドが含まれているから
  4. レンジアドバンテージが低いから
ウェットすぎるとドローが気になっちゃうけど…

この動画で投票をすると、①がもっとも多く、次に②です。

しかし、この答えは多くの人々を驚かせると思います。

答えは③
最もCBサイズを変化させる要因はナッツハンド含有率
答えをより納得のあるものにするために、まずはベットサイズを大きくさせる要因と小さくさせる要因をみていきましょう。

ベットサイズに影響を与える要因

大きなサイズの要因と小さなサイズの要因を2つにわけることによって見ていきます。

まずは大きなベットサイズの要因から。

よりベットを大きくする要因

  • 相手のナッツハンドが少ない。(あなたのレンジに関係なく)
    相手のバリューハンドとナッツハンドの多くはあなたのオーバーベットに対してディフェンスの役割を果たす。
    (ディフェンスがないことはアグレッションを上げる要因になる。)
  • 相手があなたのレンジの上の方に対して、適正なエクイティハンドを多く持っているとき。
    相手をフォールドさせる利益(フォールドエクイティの価値が高いから。
  • あなたがレンジに対して十分なナッツハンドを持っているとき
  • あなたが守るべきミドルハンド(中間の強さの手)が少ないとき
    (フォールドしやすい)

大きいベットと対比しつつ、小さいベット要因をみていきます。

よりベットを小さくする要因

  • 相手のナッツハンドが多い。(あなたのレンジに関係なく)
    ナッツハンドはあなたのアグレッションを下げる要因になる。
  • 相手があなたのレンジの上の方に対して、適正なエクイティハンドをあまり持っていないとき。
    フォールドエクイティの価値が低いので、小さいベットでもゴミ手はおりてくれる。
  • あなたがレンジに十分なナッツハンドを持っていないとき
  • あなたが守るべきミドルハンドを持っているとき

これらの要因から仕組みにせまっていきます。

要因を理論で説明できるようにしていこう

ベットサイズの仕組み

ナッツハンド

相手のナッツハンドはあなたがオーバーベットをして破滅に向かうのを防ぎます。

ナッツアドバンテージがレンジアドバンテージよりベットサイズを指示する理由がこれです。

Kハイフラッシュでも相手がナッツ(Aハイ)を持ってるかもって思うと、警戒する…

ドライボード

ドライボードは大きくベットするにはインセンティブ(報酬)が低い傾向があります。

あなたのレンジの上の方に対してフォールドエクイティの価値が低く、ドローも欠けているからです。

ウェットボード

ウェットボードは大きくベットするのにインセンティブが高い傾向があります。

あなたのレンジの上の方に対してフォールドエクイティの価値が高く、相手によりドローのエクイティがあるからです。

フォールドエクイティの価値については、この記事を参考にしてね
>>フォールドエクイティの仕組み

とてもウェットなボード

とてもウェットなボードはお互いのレンジに、様々な多くのナッツハンドをもたらします。

ナッツハンドがお互いに多くあることは、あなたが無理するのを防いでくれます。

そして、お互いのトップにあるレンジはミドルハンドをフォールドさせます。

もしあなたがとてもウェットなボードで爆撃を始めたら、あなたはとても搾取的なプレイになるでしょう。

1枚ストレートボードとか、大きくベットされたらヒットだけだとおりちゃう…

ミドルレンジ(中間の強さの手で構成されているレンジ)

あなたにとって中間の強さのレンジは、あなたのナッツハンドを弱らせます。

中間ハンドを守るために、ナッツハンドを使うからです。

ミドルのハンドをもっていればいるほど、あなたはもっとそのハンドを守ることを要求されます。

ナッツでアグレッシブになるのではなくて、ナッツを防御に使うよ
サイズの要因から理論を掴んでいきます。
まずは大きなベットから。

脆弱なナッツの定理とは

もっとも目立つオーバーベットの一つはこのような場面。

現在、レンジ対レンジだとあなたのハンドが上の方に位置するのですが、ドローに対してエクイティはそこまでない状態。

例えば、あなたのレンジの大部分の98%は彼らの上ですが、あなたは80%のエクイティしかもっていないという不一致。(次の段落で例題をだしていきます。)

現在先行していることと、後のストリートではそうではないことの間の不一致は、非常に積極的にプレーするインセンティブを生み出します

これはまだ名前がつけられていません。

なのでそれを「Vulnerable unt theorem」「脆弱なナッツの定理」と呼ぶことにします。

オーバーベットの理由の一つは「脆弱(ぜいじゃく)なナッツの定理」。

脆弱なナッツの定理
⇨現在先行していることと、後のストリートではそうではないことの間の不一致が、非常に積極的にプレーするインセンティブを生むこと。
定義だけだと難しいから、具体例をたくさん出していくよ!

脆弱なナッツの定理|具体例「A♠K♥5♥」

「脆弱なナッツの定理」を具体例で見ていきます。

  • BTNオープン、BBコール。
  • フロップ「A♠K♥5♥」
  • BTNのCB「1.25×30%、チェック60%」。
    (100bb、500nl、6max)

フロップ「A♠K♥5♥」は大きく打つことで知られています。

この大きく打つベットに「脆弱なナッツの定理」が絡んでいます。

もしBTNが「AJo」だったら。

BTNが「AJo」だった場合。

BTNのAJoはBBが持つAXレンジのほぼ上のほうに位置します。

BBのレンジを見た場合に、2ペアやセット(K5、A5、55)しかBTN「AJo」の上にいません。
(BBにあるもっと強いハンドはほぼ3betに回されている)

2ペア+の割合は3%。

つまり、BBはレンジの3%しかBTNレンジの上に位置していない、ということを示します。

逆に言えば、BTN「AJo」はこの時点では97%相手のレンジの上に位置することを示します。

BTN「AJo」はBBのレンジの97%上に位置する。(3%は2ペア+)

しかし、エクイティでは「AJo」は82%と表示されています。
(同じようにAQoのエクイティは83%とAJoと同じような値。)

ハンドの位置と、表示されるエクイティに差があります。

この不一致(アシンメトリー)は2つのことを意味します。

  • BTNの強いトップペアはアグレッシブにプレイするインセンティブが高い
    (その時点のエクイティもそこそこ高く、フォールドエクイティの価値も高い)
  • BBは十分なナッツハンドを持っていないので、BTNからのオーバーベットを防御できない。
    (ナッツハンドはBTNのオーバーベットを妨げる)
エクイティとそこでのナッツハンド含有率との差って、考えたことなかった…
具体例をさらに2つ見ていきます。

脆弱なナッツの定理|具体例「8♥5♦3♣」

  • SBオープン、BBコール。
  • フロップ「8♥5♦3♣」
  • SB「9♥9♠」のCB「1.25×40%、0.75×15%、チェック40%」。
    (6Max、100bb、nl500、general)

SBは9ポケを持っていたとします。

9ポケより強い役をBBは今現在2%しか持っていません。
(セットと2ペアで約2%)

しかし、SBの9ポケのエクイティは77%。

9ポケはBBのレンジに対して98%上に位置するけれど、エクイティは77%。

この不一致はオーバーベットのインセンティブをもたらします。

フォールドエクイティの価値がとても高い状態です。
(BBをフォールドさせるインセンティブが高い)

GTOウィザードの設定を「complex」に変えてみましょう。

すると、フロップの時点で「99」は3.21xベット(90%)が好まれています。

フロップでいきなりポット300%ベット…

同じように選ぶとしたら、「TT」「JJ」「A8」。

これらのハンドも今現在は98%レンジの上に位置していますが、エクイティはそこまでないので大きく打てます。

脆弱なナッツの定理|具体例「J♥T♥8♦」

  • BTNオープン、SB3bet、BTNコール。
  • フロップ「J♥T♥8♦」
  • SB「AJo (♥をもっていない場合)」はフロップから約99%オールイン。
    (6max、100bb、general)

「AJo」はフロップの時点で90%相手のレンジの上に位置します。

しかし、エクイティは63%です。

  • AJoはBTNのレンジの90%に勝っているけれど、エクイティは63%しかない。
  • AAはボタンのレンジの93%に勝っているけれど、69%のエクイティしかない。
    (「A♦A♠」の場合、フロップで約50%オールイン)

この場合に「脆弱なナッツの定理」から大きなベットが打てることを説明できます。

全体でもフロップはSBはオールイン(3.52x)が26%。とベットする中では一番好まれています。(チェックは39%)

この「脆弱なナッツの定理」に従うと、エクイティがあるのでベットするし、相手をフォールドさせる価値があるのでベットします。

さらに、相手にナッツハンドが少ないのでフォールドさせやすいという特徴があります。

大きくベットできる要因の一つが「脆弱なナッツの定理」!

さらに、大きいベットサイズの理論にせまります。

ジオメトリックベットサイズとSPR

「ジオメトリック」の意味はリバーですべてのチップを得るために、同じポットの割合でベットすることを意味しています。

ジオメトリックベットサイズ⇨リバーでのオールインに向けて、同じポットの割合でベットしていくこと。

プレイヤーがパーフェクトにポラライズしたときのベットサイズです。

ジオメトリックベットサイズは相手がレンジでコールできる最大値。

他の言葉で表現します。

もしあなたが絶対のナッツハンドか負けが確定しているブラフハンドを持っていた場合。

対戦相手はブラフキャッチャーを持っていることになります。

あなたは同じ割合でそれぞれのストリートをリバーまでベット。

そのとき、ジオメトリックベットサイズは相手のコールするレンジの最大値をとります。

簡単に言うと、ジオメトリックサイズがポラライズ!
相手のコールするレンジの広さとベットサイズの関係を図で見てみましょう。

ジオメトリックサイズ

縦線がベットサイズ、横線が最終的なコールするレンジの広さを表しています。

この図の左側の凸部分上には「異なるサイズでそれぞれのストリートをベットした場合、相手は全体的にコールがより固くなっている」。

右側の凹み部分上には「同じサイズでそれぞれのストリートをベットした場合、相手は全体的にコールがより広くなっている」と書かれています。

一般的にシンプルなMDF計算に従った場合。

同じサイズのベット構成はサイズを変化させるよりも、相手に広いディフェンスを必要とさせることがわかります

「相手のコールレンジの広さ:同じベットサイズ>異なるベットサイズ

もちろん、このゲームはいろいろな要素が絡むのでベットサイズを変化させるべきです。

が、この仕組みにいろいろなスポットで気が付くことが必要になってきます。

そういえば、ターンでラグが出た時にソルバーを見たら、フロップとサイズ%が同じだったことあった!
ジオメトリックサイズもリバーでオールイン(最も大きい)まで持ち込むので、大きなベットサイズの具体例になります。

フェルティングレンジについて

フェルティングレンジについて話していきます。

これは、スタックオフレンジと同じような意味で使っています。

スタックオフ⇨ 弱いハンドでオールインし、チップを全て失うこと。

オールインに向けてベット%を構成していくってことだね

フェルティングレンジ⇨スタックによってプレイできるレンジの%を構築する。

単純なMDF計算によって大まかに近似値によせたレンジを作り出すことができます。

直観的にはこのようなことが言えます。

  • ディープスタック⇨よりタイトにレンジを構築する
  • ショートスタック⇨よりワイドにレンジを構築する

なぜこのようになると思いますか?

感覚的にこう思うでしょう。

「あなたはスタックが深くなるほど、より多くのお金をポットにいれます。
なので、多くのお金をポットに入れてもいいようによりタイトにレンジを構築」と。

反対にこうも言えます。

「守らなければいけない多くのお金だから、レンジは全体的により固くしよう」と。

この直観は正しいのでしょうか?

MDFを使った計算をして、この傾向が正しいのか検討してみます。

ポットをディフェンスする値はMDFによって決めます。

(図は動画15分の個所)

表から、SRP(シングルレイズドポット)はスタックオフするレンジの%が低いことがわかります。

直観は表にすることで、その傾向があるとわかりました。

確かにスタックがたくさんあって、すべて賭けないといけないとしたらナッツがいいなぁ…

レンジ構成からベットサイズがどのように変わるのか、具体例で見てみましょう。

フィルティングレンジ構成の具体例

  • BTNオープン、BBコール。(srp,6max,general,100bb)
  • フロップ「K♥Q♦9♠」
  • BBチェック

通常、このフロップのCBはスモールベットが好まれます。
BTNのCBは「0.33xベットが39%」でもっとも多い。

ここで問題です。

BBは自身のレンジの上位10%はBTNからの1.25x(ポット125%)ベットから守るとします。

BTNがBBをスタックオフできる最も弱いハンドはどれでしょうか?

  1. JT
  2. 99+
  3. KQ
  4. K9
  5. Q9
BBの上から10%のハンドはどれかを当てる感じだね!

投票をしたところ、「K9」がもっとも表を獲得しました。
(「K♥Q♦9♠」に対して2ペア)

下の表は左「BBの上位10%のレンジ」と右「BTN対top10のBBレンジ」です。

bbrange

あなたがこのBBレンジにバリューベットするには、少なくとも50%のエクイティが必要です。

右の表のエクイティを見てみると、KQからエクイティが50を超えていました。

答え③KQ

クイズはBTNのエクイティ分布を意識してもらうための布石!
次に、実験です。

BBのレンジから、すべてのストレート(「K♥Q♦9♠」に対するナッツ)を取り去ったら何が起こりますか?

これも表で見てみましょう。

bb

(動画17分40秒の個所)

左「BTN対top10のBBレンジ」、右「BTN対top10のBBレンジからJTを除いたレンジ」

JTを取り除いたレンジには、エクイティ50を超えるハンドやその付近のハンドがたくさん出てきます。

「K9」はエクイティが61、「Q9・AK・AA」までエクイティが50付近です。

えっ、何が起きたの…
さらにBTNのCBサイズの変化も見てみましょう。
ストレート除く

青色の線がベースライン。
赤色の線が「BBのレンジからJT」を取り除いたライン。

BTNのベットサイズと頻度が劇的に増えます。

頻度で160%ベットまであります。

JT(ナッツ)をBBレンジから取り除くと、BTNはBBの多くのハンドを打ち負かせることを意味します。

「JT」を取り除いただけなのにすごい変化!!

ナッツを削った結果、BTNはエクイティが上がり、ベットサイズは大きく、頻度も高くなりました。

BTNはチェック42%⇨19%、サイズ0.25xが主⇨サイズ0.4xが主、というように変化。

BBはナッツがなくなることで、BTNのベットに抵抗できなくなります。

例えば、ボードでストレート「A2345」になった場合に、相手のレンジに「6」がないと思えばオールインしても怖くない!
ナッツハンドはレンジ構成に強く関わっているとわかります。

スタックがさらに深くなるとどうなるか。

では、次にJTはもとに戻して、スタックを100bb⇨200bbと深くしてみます。

スタック200bbになると、どうなるでしょうか?

フロップ「K♠Q♥9♦」

BTNはフロップで67%チェック

BBにナッツハンドがあるので、ベット頻度を高くしたり大きくしたりができない状態です。

広い戦略を埋め込むことが難しい状況。

スタックの深さとナッツハンド

ナッツハンドはオーバーベットに対してだけディフェンスできます。

大量のナッツハンドが自分にないと、相手からオーバーベットをうけたり、プレッシャーをかけられたりします。
(もちろんそれがいつも彼らのベストな選択というわけではありません。)

スタックが深くなるにつれて、よりナッツアドバンテージは大切になってきます。

大きいサイズを扱ったから、次は中間サイズ!

CBサイズとドンクレンジ

(この段落は補足が多くなっています)

ミドルレンジ(中間の強さのレンジ)はサイズにどのくらい影響するのでしょうか。

問題です。

  • (CO vs SB 4bp)
    COオープン、SB3bet、CO4bet、SBコール。
  • フロップ「A♥T♦9♥」
  • SB「ベット0.25x40%、チェック60%」

なぜSBはドンクするのですか?

ヒント

  • 4betポットなのでSPRは低い
  • エクイティグラフを見るとSBはレンジアドバンテージを持っていないし、ナッツアドバンテージも持っていない
  • OOP

エクイティグラフ

グラフ

「ほぼ下に位置する青い線がSB、緑の線がCO」

これらの情報を整理すると、レンジのトップでもボトムでもドンクの原因ではありません。

SBのハンドの多くはまったく価値がない状態か、とても価値がある状態

87sなど下のほうのハンドは価値がありません。

ATsやTポケや9ポケなどはとても価値があります。

KTの♥なしは価値がなく、♥ありだととても価値がある状態。

SBは守る価値のある中間の強さのハンドをほとんど持っていません。

ドンクした理由
あなたのミドルレンジは守る価値がないから。
守る価値がないから、守る価値をつけるためにドンク!?
どういう意味だろう…
さらに検証していきます。

もしSBがチェックをしたら?

もしSBがチェックをしたら何が起こるでしょうか。

COはほぼ小さいベット(約60%)。

COから0..25xベットを受けたSBは「コール20%、レイズ30%、フォールド50%」。

SBは小さめなベットでも、フォールドが50%。

COにベットされるとSBは大半のハンドをフォールドしています。

50%は小さいベットに対抗できないゴミ手。

ここからも、SBのレンジはまったく価値がない(50%ゴミ手)か、価値があるハンド(50%防御)ということがわかります

ブロックベット(ディフェンシブベット)の考え方をするよ
どういうことなのか、さらに説明していきます。

SBのレンジはとても強いハンドを持っているか、価値のないハンドを持っているかのどちらか。

ミドルハンドがない⇨チェックレンジにディフェンスする価値がない状態。(ミドルハンドでショーダウンバリューハンドがない

つまり、もしSBがドンクをしなければ、このようなことが起こります。

チェックレンジのみ(ドンクがない状態)

  • SBは弱いハンドでチェックする⇨COの小さいCBでSBはゴミ手をフォールド
  • SBは強いハンドでチェックする⇨COはチェックバックの恩恵をうける
あれ、チェックがSBにとっっても不利!
この不利益を回避するために、SBは約40%でドンクをつくります。
SBはドンクしても相手のフォールドは望めません。(COのドンクに対するフォールド率は10%)
ドンクレンジはこのように構成します。
  • ドンクレンジの50%はゴミ手を混ぜている。
  • ドンクレンジにはナッツを混ぜないが、バリューは50%混ぜる。
  • チェックレンジにはナッツを残す
SBのレンジはドンクを含むとより、搾取的になります。
  • SBはドンクする⇨COはほぼコールするのでバリューハンドは利益的、ゴミ手でもフォールドせずにすむ。
  • SBは頻度でドンクすることが前提でチェックする⇨チェックレンジにナッツが残っているので相手はオーバーベットできない。
    ゴミ手はベットされなければフォールドせずにすむ。
SBは頻度でドンクをすることにより、プリフロップを防御します。

もしドンクを含まなければ、チェックの不利益によりあなたのチェックレンジの価値は0です。

SBがドンクをするという選択を増やすことで、COのブラフも削ることができます。

かつ、ナッツ(AAなど)はドンクしない、セットも半分はチェック、という構成にするとチェックレンジが自然とポラライズされます。

ナッツが強力な防御になる!
(エクイティの実現につながる)
ここでのナッツの使われ方は防御です。
あなたのミドルレンジは、ナッツを弱らせます。
なぜなら、チェックレンジにナッツを含ませることが利益的になるからです。
ディフェンスするためにナッツを使います。

ここで少し疑問があるかもしれません。

相手の「AA」などのナッツに対しては、9ポケ・Tポケ・Aヒットなどは守るべき対象になるのではないか、と。

レンジの上のほうにある「AQ・99・TT」などは守りたいハンドというよりはバリューよりです。

強いハンドか弱いハンドかというのはかわりません。

レンジ全体でチェックした場合、これらのハンドをもっていたらCOにチェックバックされてしまって、EVロスにつながります。

まとめます

  • ドンクしない⇨守るべき中間ハンドがないので、チェックレンジに価値がない。
  • ドンクする⇨バリューはより利益的になり、チェックにナッツを含むことでチェックレンジに価値を作る。

他にもこのような特殊な4betポットを紹介していました。

SBvsBTN4betpot(complex)
「A♠K♠7♥」
SBは0.03xベット(16%)でドンク。

ブロックベットはエクイティリアライゼーション(エクイティの実現)のためのプレイになってきます。

ここでも同じようにチェックレンジを搾取的にします。

これらはあまりSRPでは見られません。(特にリバーでは。)

この特徴は4bpの特に固いレンジ対固いレンジのときに起こり、あまり頻繁ではありません。

ミドルレンジはナッツでも消極的
次に小さいサイズを見ていきます。

CBが小さい理由(ペアボード編)

ペアボードはドライなのでしょうか?

ドライボードとウェットボードとは特になにを言うのでしょう?

「AA6」はドライボード?

その意味はあってる?

改めて聞かれるとちゃんと答えられない…

ドライボードの意味を整頓しましょう。

ドライボード

  • エクイティの変化がターンとリバーで低い状態
  • レンジのトップのほうでドローが少ない状態
  • コネクトハンドが少ない

定義はさておき、「AA6」はレンジベットボードです。

BTN vs BB「AA6」レインボー(SRP)ではフロップで0.33xベットが92%あります。

問題です。

なぜ小さいベットが好まれるのでしょうか?

  1. ドライボードだから
  2. たくさんのナッツハンドが含まれているから
  3. BBは弱いハンドを多くもっていて、ベットに対抗できないから
  4. BBのレンジは脆いから
  5. フォールドエクイティが低い
  6. フォールドエクイティが高い

投票をしてみたところ、多くの人が③を選択しました。

②に投票した人はいません。

エクイティグラフを見てみましょう。

(BTNが緑、BBが青)

BTNは大きなレンジアドバンテージがありますが、ナッツアドバンテージはありません。

BBはレンジにAxを多く含んでいて、BTNはトリップスを警戒するので強く打つことはできません。

答えは②「ナッツハンドが多く含まれているから」

えっ、投票0%だったのに!?

答えを実証するために実験をします。

ペアボードの実験

実験は4つ。

実験

  1. お互いのレンジからトリップス+を取り除いたら何がおこるか。
  2. BBのレンジからゴミ手を取り除いたら何がおこるか。
  3. フォールドエクイティの価値はどのくらいあるのか。
  4. ポジションが逆になると何が起こるのか。

それぞれ検証していきます。

①お高いのレンジからトリップス+を取り除く

お互いのレンジからトリップス+を取り除きます。

その場合、どのような結果になると思いますか?

  1. チェックが増えスモールサイズになる
  2. レンジベットがスモールサイズになる
  3. レンジベットが大きいサイズになる
  4. オーバーベット

投票した結果、最も多かったのは③です。

答えは

③レンジベットが大きいサイズになる

(動画37分。青いグラフはベースライン、赤いグラフは取り除いた後。)

お互いのレンジからトリップス+を取り除くと、かなりサイズがアップすることがわかります。

0.25xベットが最も多かったのですが、取り除くと0.8xベットが最も多くなりました。

取り除くとレンジの優位性からナッツアドバンテージはBTNが持つことになります。

(エクイティグラフの右上を取り除いた形)

実験から、トリップス+(ナッツハンド)が大きなベットサイズを妨げていたことがわかります。

②レンジからゴミ手を取り除いたら何がおこるか。

BBのレンジからエクイティが25%以下のハンドを取り除きます。

BTNのレンジにはどのような変化が起こるでしょうか。

  1. チェックが増え、スモールサイズになる
  2. チェックが増え、大きいサイズになる

投票したすると②が多い結果になりました。

答えは

②チェックが増え、大きいサイズになる

まず明らかに相手のレンジが強くなるのでチェックは増えます。

しかし、ここでの質問はサイズについてです。

(青がベースライン、赤がゴミ手を取り除いた後)

私たちはチェックを多くしますが、サイズアップしています。

サイズアップの理由は、フォールドエクイティの価値が増え、ターゲットがより強いハンドになっているからです。

実験前はターゲットがもっと低いバリューのものでしたが、ここでは「6X、Kハイ」などをターゲットにしています。

ゴミ手がなくなってターゲットがより強くなったので、ベットサイズを大きくしないとそれらのハンドはフォールドしてくれないからです。

そして、BBはレンジが強くなることでドンク(0.33xベットが30%)が発生していることも特徴的です。

③フォールドエクイティの価値はどのくらいあるか。

メイドハンドのエクイティをはかっていきます。

1.25xベットに対するフォールドエクイティと0.33xベットに対するフォールドエクイティの2つから検証します。

全体のエクイティを計算すると、フォールドエクイティの価値はどのくらいあるでしょうか。

  1. 高い
  2. 低い
  3. ベットサイズによる

答えは

②低い

(画像で表の数字は粗くて見えないのでここでは省きます。図の比較は動画40分の個所)

BTNが1.25xベットしても、0.33xベットしてもバリューハンドはフォールドエクイティがほぼ変わりません。

「AA6」レインボーボードは、強いハンドは強い、弱いハンドは弱い、というのが特徴的。

サイズを上げても、フォールドエクイティの価値が上がらないことを図が示しています。

例えば、「A6」(フロップフルハウス)などは、フォールドさせるターゲットがいないので、もっともフォールドエクイティがありません。

ベットサイズをあげるインセンティブがないとはいいませんが、インセンティブは少なくなります。

④ポジションが逆になると何が起こるのか。

IPをOOPに変えます。

その場合どのような変化が起きるでしょうか。

  1. サイズアップ
  2. サイズダウン
  3. ベットが減る

投票では多くの人が①サイズアップすると答えました。

答えは

①サイズアップ

少しサイズアップします。

(青がIP、赤がOOP)

通常、IPのレンジの方がよりEVを持っていて、バリューは増加、フォールドは減ります。

CBが小さい理由(モノトーンボード編)

次に同じようなテストをモノトーンボードでやってみましょう。

BTN vs BB
フロップ「Q♥8♥3♥」
BTN「0.33×30%、チェック60%」ここでも同じように小さなサイズの頻度が高くなっています。なぜスモールベットが好まれるのでしょうか?

  1. とてもウェットなボードだから
  2. BBのレンジに大量のナッツハンドがあるから
  3. フォールドエクイティが低い
  4. BBのレンジの弾力性がない
  5. アウツからエクイティがある

答え

(②BBのレンジに大量のナッツハンドがあるから)
(ここでは正確に番号での回答を述べていません。ただ、動画の結論として、ナッツハンドの量とフォールドエクイティがサイズに関わると話しています。
この段落では実験結果を述べていますので、答えを推測してみてください。)

モノトーンボードはとても興味深いボードです。

多くのプレイヤーがレベル1を実行します。

レベル1⇨ドライボードでは小さいフロップCB、ウェットボードでは大きいフロップCB。

レベル2だととてもウェットなボードでは小さいCBが追加!

もしレベル1の相手が大きなベットをしてきたら、彼らのレンジは狭いだろうと予想できます。

そして、多くのバリューでレイズをしてきて、あなたのバリューハンドの大半を打ち負かします。

ソルバーによれば、モノトーンボードは小さいサイズでベットをしますし、そこまでレイズ頻度は高くありません。

しかし、実際は?

もしあなたのバランスが悪かったら、ソルバーはポット500%ベットを出してきます。(キャップされていると判断されたらエクスプロイトされる)

このようなボードはとても不安定。

エクイティグラフを見てみます。

(青がSB、緑がBTN)

豊富なフラッシュが両方のレンジにあり、お互いが本当はナッツアドバンテージを持っていない状況だとわかります。

BTNがわずかにレンジアドバンテージがあるくらいです。

では、実験に移りましょう。

モノトーンボード実験

ここでも同じように実験をしていきます。

実験は4つ。

実験

  1. お互いのレンジから完成されたフラッシュを取り除いたら何がおこるか。
  2. BBのレンジからゴミ手を取り除いたら何がおこるか。
  3. フォールドエクイティの価値はどのくらいあるのか。
  4. ポジションが逆になると何が起こるのか。

それぞれ検証していきます。

①お互いのレンジから完成されたフラッシュを取り除いたら何がおこるか

フロップでメイドしたフラッシュをお互いのハンドから取り除くと何が起こるでしょうか。

  1. サイズアップ
  2. ベット頻度があがる
  3. サイズダウン
  4. ベット頻度が下がる

投票すると②が多い状況でした。

答えは

①サイズアップ
(青がベースライン、赤が取り除いた後)

小さいベットが少し減り、大きなサイズのベットが増えます。

0.33xベットは58%であまり変わりませんが、0.8xベットと1.2xベットがでてきます。

この傾向は、「Q83のツートーンボード」と似ています。

「Q83のツートーン」の場合、ナッツアドバンテージが大きいサイズを指示するのですが、相手にセットや2ペアといったナッツハンドが3%しかありません。

かつ、ドローが多く、フォールドエクイティも高いボード。

BTN側が大きなサイズを打つのに良いシチュエーションになります。

脆弱なナッツの定理がここでも活用できるね!

BBのレンジからゴミ手を取り除いたら何がおこるか。

BBのレンジからエクイティが低いハンドを取り除きます。

BTNのレンジにはどのような変化が起こるでしょうか。

  1. サイズアップ
  2. ベット頻度が上がる
  3. サイズダウン
  4. ベット頻度が下がる

投票では①と④が両方とも100%選択されていました。

答え

①サイズアップする

(青がベースライン、赤がゴミ手を取り除いた後)

同じくらいのベット頻度は保ちつつ、サイズはより大きくなる傾向があります。

ここでも同じく、フォールドさせるターゲットが強いハンドに変わります。

フォールドエクイティの価値が高くなるので、サイズがアップします。

ここでもBBはレンジの35%で0.33xベットのドンクが発生します。

フォールドエクイティの価値はどのくらいあるのか。

ここでもメイドハンドのエクイティをはかっていきます。

1.25xベットに対するフォールドエクイティと0.33xベットに対するフォールドエクイティの2つから検証。

全体のエクイティを計算すると、フォールドエクイティの価値はどのくらいあるでしょうか。

  1. 高い
  2. 低い
  3. ベットサイズによる

答えは

③ベットサイズによる

(画像で表の数字は粗くて見えないのでここでは省きます。図の比較は動画分の個所)

ここでは、サイズによるエクイティの変化がでていました。

多くはフラッシュではなく「Q83」ボードに関係したハンドのフォールドエクイティが得られます。

モノトーンボードだと、Qヒットや8ヒットのみでスートがないハンドは、大きいサイズベットに抵抗できなかったりする

ポジションが逆になると何が起こるのか。

ポジションをIPからOOPに変えると何が起こるでしょうか。

  1. サイズアップ
  2. ベット頻度が上がる
  3. サイズダウン
  4. ベット頻度が下がる

投票では「①サイズアップ、④ベット頻度は下がる」が多く選択されていました。

答え

③④サイズが下がり、ベット頻度も下がる。

ここでは大幅にチェックが増えました。

(青はベースライン、赤はポジションを逆にした後)

BTNがOOPだとチェック頻度が大幅に増加。

インプライドオッズはIPにいるときに増えます。

モノトーンボードはエクスプロイトに影響を受けやすいボード。

キャップされたレンジはのちのストリートで大量のベットを受けてしまいます。

IPのエクスプロイトポイント!

グラフをみると、よりベットが少なくなって、サイズもダウンしています。

インプライドオッズがとてつもなくIPにあるからです。

ドライボードととてもウェットなボードの中間ボード

ドライボードととてもウェットなボードの中間に位置するボードを見ていきます。

BTN vs BB
フロップ「J♦9♦5♣」
BTN「1.25×18%、 0.75×18%、チェック57%」

「J♦9♦5♣」にはたくさんのドローがあって、フラッシュやストレートはまだ完成していません。

(緑の線がBTN、青の線がBB)

BTNは小さいEVアドバンテージとレンジアドバンテージがあります。

グラフからCBサイズを想像できるようになろう!

実際、BTNのCBは「1.25×18%、 0.75×18%、チェック57%」で大きなサイズが多くなっています。

では問題です。

なぜBTNのCBは大きなサイズなのでしょうか?

ここで大事なのは、
BBは3.4%しか2ペア+を持っていないということ。
あなたがAJをもっていたら相手レンジの97%は上にいるということです。

あ、「脆弱なナッツの定理」って結構あてはまるね

ここでも実験をしてみましょう。

3つの実験。

実験

  1. 2ペア+をお互いのレンジから取り除くとどうなるか。
  2. BBのレンジにドローをたくさん追加したらどうなるか。
  3. フォールドエクイティの価値はどのくらいなのか。

ナッツをお互いのレンジから取り除くとどうなるか

2ペア+をお互いのレンジから取り除きます。

(青がベースライン、赤が取り除いた後)

2ペア+をとりのぞくと、ベットサイズがかなり大きくなっています。

BTNのベットサイズはもともと大きかったのに、さらにポットオーバーが42%になっています。

BBのレンジにドローを追加する

BBのレンジにドローの束を追加してみましょう。

「T8」と「QT」を追加。(「J♦9♦5♣」に対してオープンエンドと、いくつかはフラッシュドロー)

(青がベースライン、赤がドローを追加した後)

チェックが少し増えてBTNのCBサイズは大きくなりました。

BTNのレンジアドバンテージはさらに減ったので、ベット頻度は低くなったのですが、ベットを大きくするフォールドエクイティの価値は増えました。

強いドローをフォールドさせるために、サイズアップをします。

フォールドエクイティの価値

フォールドエクイティはどのくらいか測ってみます。
(図は動画53分20秒にあります。)

1.25xベットに対するフォールドエクイティと0.33xに対するフォールドエクイティを比べます。

その結果、サイズを大きくするとフォールドエクイティがかなり増加することがわかりました。

小さいサイズではフォールドエクイティの価値が低いことも示されています。

3つの実験の結果から、ナッツの含有量とフォールドエクイティの価値がCBサイズを大きくする要因になっていると推測できます。

CBサイズの仕組みまとめ

ベットサイズは複雑に絡み合っています。

ベットサイズを決める特に大きな要因はナッツアドバンテージとフォールドエクイティの価値です。

SPRとナッツハンドの割合はスタックするためのサイズを指し示していたり、それは最終的にベットサイズをコントロールしたりします。

ミドルレンジにあるナッツはしんがりの役割をはたしていて、あなたのミドルレンジを防御します。
(相手のアグレッションが減り、エクイティの実現につながる)

フォールドエクイティの価値が高くなるボードと低くなるボードがあります。

ノーエクイティハンド(ゴミ手)が多いボードではサイズを上げてもそれほどかわりませんが、エクイティがそこそこあるハンドが多いボードではサイズを大きくすると価値があがります。

まとめ(おおまかな内容まとめ)

  • 「ウェットネスパラボラ」はある程度正しい
  • 「脆弱なナッツの定理」⇨現在先行していることと、後のストリートではそうではないことの間の不一致が、非常に積極的にプレーするインセンティブを生むこと。
  • 「ジオメトリックサイズベット」⇨ポラライズ
  • 自分にナッツアドバンテージがあるボード⇨CBサイズは大きめ
  • お互いにナッツアドバンテージがあるボード⇨CBサイズは小さめ
  • 自分がミドルレンジ⇨ナッツハンドを防御に使い、エクイティを実現するのに役立てる
  • フォールドエクイティの価値が高い⇨CBサイズは大きめ
  • フォールドエクイティの価値が低い⇨CBサイズは小さめ
またミドルサイズについてはどこかで講義するっていってたよ

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前回紹介したGTOウィザード動画はこちら。
Fundamental preflop theory
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