ポーカーと認知バイアス|本能を乗り越えるには

ポーカー本「賭けの考え方」ではこのように述べられています。

あなたの本能と人生経験はポーカーでは役に立たない?

>>「賭けの考え方 勝ち組ポーカープレイヤーの思考習慣」(イアン・ティラー、マシュー・ヒルガー)

つまり、ポーカーにおいては経験が役立たないかもしれないのです。

なぜこのように言われるのでしょうか。

その理由に、心理学でいう認知バイアスがかかわってきます。

意味は、人が陥りやすい思考のエラーのこと。

ポーカーと認知バイアスの関係

人間には本能がありますが、この本能が時に誤った判断をします。

文明がどれだけ本能の放棄によって築かれてきたかを看過するのは不可能である ーフロイト

文明が本能の放棄によって築かれてきた面があるからです。

なので、本能放棄によって作られたゲーム、ポーカーではどれだけ本能に逆らえるのか、というのもゲームの醍醐味です。

(ポーカーは)普段と少し違う考え方をしなければ、最高の結果を得られない

本におけるポーカーのこの面は、ポーカーがゼロサムゲームであることからも言えます。

ゼロサムゲームとは、全員の利損の総和が常にゼロになることを指します。

例えば、あなたが大負けしていればその分の利益は誰かがもっていて、逆にあなたが勝った額は誰かが失っている。

その総和がゼロになることを指します。

ポーカーはレーキ(参加料)があるので、総和がさらにマイナスになるゲームです。

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ポーカーのレーキは初心者の頃は見過ごしがち!
なので、ポーカーでは平均的なプレイヤーであることは、プラス値がゼロ以下であることを表します。
さらに、平均的プレイヤーはポーカーでの経費を考えると、損失が大きく成ってしまうのです。
では、平均的なプレーがどのようなものかといえば、認知バイアスに従ったプレイになります。

認知バイアスとは

認知バイアスとは、主にアメリカの心理学者ダニエル・カーネマンが唱えた理論です。

意味は、人が陥りやすい思考のエラーのことを言います。

カーネマンはプロスペクト理論などで、ノーベル経済学賞を受賞しています。

自分では理性的な判断をしていると思い込んでいても、認知バイアスによってその判断には誤りがあることが多いのです。

意識しなければ、認知バイアスだとわからない!ということも。

認知バイアスをあげていきます。

  • 現状維持バイアス
    (変化による利益よりも、変化による損失が大きいと考えてしまう)
  • コンコルド効果
    (やめたほうがいいとわかっていても、今までのコストを惜しんで持続してしまう)
  • バンドワゴン効果
    (多数の人が考えていることが正しいと判断する)
  • 行為者-観察者バイアス
    (他人の行動はその人の性格によるもので、自分の行動は状況によるものだと考えてしまう)
  • 自己奉仕バイアス
    (成功は自分の力で、失敗は環境のせいだと考える)
  • 後知恵バイアス
    (物事が起きたあと、そうなることは初めからわかっていたと考える)
  • アンカー効果
    (先行する情報をもとにして判断してしまう)
  • ギャンブラーの誤謬
    (確率は過去の出来事によって変わると考えてしまう)
  • 前後即因果の誤謬
    (前後関係を因果関係だと思い込んでしまう)
  • 正常性バイアス
    (異常事態を正常の範囲内だと考えてしまう)
  • フレーミング効果
    (内容は同じでも思考によって印象が変わってしまう)
  • 錯誤相関
    (因果関係はないのにあると考えてしまう)
  • プロスペクト理論
    (利益よりも損失を回避しようとする)

この理論のいくつかをポーカーに当てはめてみましょう。
(参照文献 心理学用語大全

現状維持バイアス

自分のレベルに合っていないスタックでプレイをしているけれど、変えたくないと思う事。

keu
損失が大きいのならばバイインを下げなきゃかな。。

コンコルド効果

フォールドすべき場面で、今までつぎ込んだ額によってフォールドできなくなってしまった!

バンドワゴン効果

みんながリンプしてるから私もリンプしとこう。

行為者-観察者バイアス

あの人はブラフばっかりしてひどい奴だな・・。(人柄)

あ、この場面はブラフする場面!

私のブラフは理論や知識に基づいているからね。(状況)

自己奉仕バイアス

私が勝ってるのはポーカーの実力だけど、相手が勝ってるのは運だよ!

後知恵バイアス

あっ、やっぱりAAだったか!

受けちゃったけど、わかってたよ。

アンカー効果

この人はブラフばっかりしているから、どうせブラフだよ!

あ、ナッツだった。

ギャンブラーの誤謬

さっきは、50%を外したから、次は確率的に当たるはずだ!

…この次こそは!

前後即因果の誤謬、錯誤相関

あの人の長考は、ブラフを考えているときに違いない!

回線が悪かったのかも!?

正常性バイアス

あなたも今月の損失がそのくらいもあるんですね!

私は絶望してたけど、これはよくあることなのかもしれない。(額や人による)

フレーミング効果

100ドルも勝った!

100ドルしか勝たなかった…。

プロスペクト理論

ブラフをして、二分の一で成功すれば200もらえて失敗すれば100失う。

ブラフをしなければプラスマイナス0。

しないほうが結果マイナスになっている。

などなど。

このような認知バイアスによって、人は判断を誤ってしまうのです。

ポーカーで認知バイアスを克服するには

では、このような認知バイアスを克服するためにはどうしたらいいのでしょうか。

ここで「賭けの考え方」は、あらたなポーカー本能を植え付けることが必要だと説きます。

ポーカー本能は6つ。

  1. プレイの決断と結果の相関は非常に弱い。(上手い人も短期的には負ける)
  2. 短期的な金銭の目標を設定することは非生産的である
  3. ポーカーにおいて平均ラインは許されない
  4. リスクに対して取るべき賭けの考え方は中立な考えのみである。
  5. 欲は善である。
  6. 筋の通った考え方が必要である。
あらたにポーカー本能を身につけることで、認知バイアスを克服していこうと述べています。

あなたが普段抱きがちなポーカーへの気持ちは、認知バイアス・ポーカー本能のどちらの方に傾きがちでしょうか。

ポーカー上達には、ポーカー本能も身につけることが推奨されています。

ポーカーで利益を出すには、認知バイアスを知っておこう!

人間の認知バイアスというのは、人が気が付かずにやってしまっている思考のエラーです。

思考のエラーを指摘されて初めて、「エラーだった!」と気が付くことができます。

自分のポーカーを振り返る度に、認知バイアスとポーカー本能を意識してみましょう。

keu
負けた後の愚痴は、認知バイアスが多かったかも!
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