デポラライズ戦略が欠けている理由|GTOウィザード参照

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GTOウィザードのYouTube動画やGTOブログを参照に、デポラライズ戦略についてまとめてみました。

今回は動画の30分までの部分を参考にして、記事を組み立てています。

「Lack of depolarized strategies」
デポラライズ戦略が欠けている

参考動画はこちら。

YouTubeとGTOウィザードのブログ記事を参照に、「デポラライズ戦略をとるにはどうすればよいのか」を探っていきます。

前提として、ポーカープレイヤーのリークの1つとして、「デポラライズ戦略が欠けている」と動画で述べています。

ポラライズ戦略⇨単純。大きいベットかチェック。
デポラライズ戦略⇨複雑。中間や小さいベット。
ってイメージで読んでみてね!

まずは動画が指摘するリーク内容「デポラライズ戦略が欠けているとはどういうことか」を解説。

そこから、なぜデポラライズ戦略が欠ける傾向にあるのかも推測。

さらに、GTOウィザードのブログ記事から、デポラライズ戦略をとる方法を見ていきます。

(記事で扱う数値にはすべて約がつきます。)

デポラライズ戦略が欠けているとは

「デポラライズ(ポラライズされていない)戦略がかけている。」

このリークは最も大切なことで、ハイステークスプレイヤーにもみられるリークです。

ポラライズは二極化のことで、ポラライズ戦略の1つは「大きくベットか、チェックするか」です。

デポラライズとはポラライズされていないこと。

つまり、小さいベットや中間のベットなどをする戦略のことをここではさしています。

では、デポラライズ戦略とはどのような戦略なのでしょうか?

具体例を元にみていきましょう。

デポラライズ戦略|3betポット

  • BTN vs SB(3betポット、100bb、nl500、6max)
  • フロップ「A♠T♥4♦」
  • SB 0.2xベット、BTNコール
  • ターン「8♥」

フロップにAがでたことによって、SBの手の多くは強さをキャップ(制限)されました。

とても中間の手が多い状態。

フロップにAがでちゃった…。
私はKKだからターンはチェックかな…
この場面で多くの人は「KK、QQ、JJ」のような中間的な強さになったハンドをチェックにまわします。
そうそう、マージナルハンドのショーダウンバリューを狙う!
分析をGTOウィザードのタイプ「general」で見てみましょう。
SB「ラージベット20%、スモールベット30%、チェック50%
gengeralの設定だとKKやQQは70%近くチェックです。
トップペアの29%でベットするのですが、アンダーペアでは15%ほどベット。
そうそう、じゃあチェックだ!
しかし、これが今回のリーク!
えっ!?
多くの人は中間の手が多い状態でチェックか大きくベットするかといった二極化(単純化)された戦略をとってしまうのです。
この比較として、ソルバーの設定を「basic」にしてみましょう。
(YouTube動画では「basic」に設定してあります。)

デポラライズ戦略

「gengeral⇨basic」以外はそのままの設定を使います。

SBは「ラージベット5%、ミディアムベット30%、スモールベット35%、チェック30%

KKは70%ベット、QQは80%ほどベット。

スモールベットですが、ベット頻度は高くなっています。

トップペア(21%)と同じくらいの頻度でアンダーペアもベット(23%)しているとわかります。

中間の手もベット!?なんでかな…
このような疑問を抱くのは、一つの戦略(ポラライズ戦略)に縛られているから。
例えば、初心者の場合は、ここでハンドが強ければベットして弱ければチェックするという戦略(二極化戦略)をとってしまいます。
しかし、デポラライズ戦略に注目。
小さなベット戦略をとったとします。

マージナルハンドの小ベット戦略思考例

  • 相手がフォールドしやすいタイプ⇨マージナルハンドも安くベットすることでフォールドエクイティを得る
  • 相手がコーリングステーション⇨コールミスを狙う(ゴミ手〈6ポケコールなど〉)

「gengeral」のソリューションはKKを70%チェックしても30%ベットしてもどちらでもよい(無関係)という解答。

「basic」のソリューションはKKを70%ベットしても30%チェックしてもどちらでもよい(無関係)という解答。

チェックでもベットでもどちらの戦略をとっても良いのです。

デポラライズ戦略が欠けているとは、マージナルなハンドでのベットができなかったり、複数の戦略に目がいかないということ。

しかし、こうなると疑問になります。

じゃあ、どんなプレイをとっても良くなるんじゃないの?と。

GTO戦略をどう学べばいいのかわからなくなってきた…
そのために、ソリューションでも変わらない部分に目を向けてみましょう。

異なった戦略でも変わらない部分

ここでも同じ場面でのターンを分析していきます。

  • BTN vs SB(3betポット、100bb、nl500、6max)
  • フロップ「A♠T♥4♦」
  • SB0.2xベット、BTNコール
  • ターン「8♥」

GTOウィザードがおすすめする分析の仕方が閾値を調べるです。

自分で問いを立ててください。

もっとも弱いバリューベットするハンドは?

では、多数のソリューションから質問に答えてみましょう。

まず「general」ソリューション。

閾値を調べるために、フィルターをクリックして次に「good hands」をクリック。

この「good hands」のもっとも弱いベットするハンドを抜き出していきます。

「general」

最も弱いベットするハンド「QTs」(EV、EQともに一番低いハンド)

 

「basic」

最も弱いベットするハンド「JTs」。

 

「simple」

最も弱いベットするハンド「JJ
(シンプルはより相手のレンジが狭くなっている傾向)

 

次に「complex」

最も弱いベットするハンド「JTs
(ComplexはSBの3betの倍率が低め(10bb)で、よりレンジは広くなっている傾向。
BBのCBに0.2xがないので、0.19xで代用)

整頓してみます。

もっとも弱いベットするハンド「QTs、JJ(レンジが固め)、JTs(レンジが広め)」。

これらを常にベットしても、それは頻度のミスであり、ピュアミステイクにはなりません。
>>詳しくは「GTO戦略vsエクスプロイト戦略」

頻度のミスはソルバーでは罰することができない!
だから、JJを毎回ベットしても、相手がアジャストしてこなければ肯定される!
閾値を調べることで、基礎となる原則に焦点をあてます。

一つのソリューションの閾値だけでも、これはベットできるという感覚を掴むことができます。

ピュアミステイクに気を付けながら、戦略を組み立てる

エクイティ分布図を比較する

エクイティ分布図をみてみましょう。(ターンでSBからみたエクイティ分布。SBは左、BTNは右)
4つのソリューションでエクイティ分布図を比較してみます。
左はbasicのエクイティ分布図で、右はgeneral。
左はsimple、右はcomplex。
エクイティ分布図からわかることと推測
  • ナッツアドバンテージとレンジアドバンテージはSBにある
  • HANDS「50-60」の%がSBに多く、その中に「KKやQQ、JJ」などが含まれる
  • ゴミ手はBTNに多い
  • 「general」KK、QQチェック⇨マージナルハンドでチェックしてショーダウンバリューを狙う戦略が含まれる
  • 「basic」KK、QQベット⇨安く打つことでショーダウンバリューは狙いつつ、BTNのフォールドやコールミスさせようとする戦略が含まれる
  • 「simple」KK100%チェック⇨BTNのレンジが狭く、ゴミ手が少ないのでチェックになっている。
  • 「complex」⇨ここでは「gengeral」と同じような戦略をとる
いつもポラライズ戦略(二極化された戦略)をとる人はミドルハンドをチェックしがちです。
KKやQQなどで「general」戦略が示唆するもっとも頻度が高いのがチェックなので、その戦略をとることが多いのかもしれません。
その戦略をとられた場合、BTNはチェックバックすることでエクイティを実現できてしまいます。
しかし、戦略が違えばKK・QQなどのハンドはベット。
その戦略では、BTNのエクイティを実現させることを阻止するために、ミドルハンドでも小さくベットします。

デポラライズ戦略はキャップ(制限)された戦略ではありません。

戦略を加えて複雑にすることによって、相手は広くターンでコールできなくなります。

ソルバーが示す答えには、多くの解答があるのです。

ソルバーの特徴

  • 一つのソリューションには多くの解答がある
  • ソルバーはその場のみのEVを上げるための行動ではない
  • ソルバーは搾取可能性(エクスプロイト)を考えて解答を出している
ソリューションを変えるとこんなに違いがあるとすれば、その特徴を知りたい!
各タイプの特徴を見ていきます。

ソリューションタイプの特徴を見る

ソリューションタイプの特徴を、GTOウィザードのブログ記事やHPからまとめてみます。

generalソリューションの特徴

generalソリューションの特徴

  • ポジションごとのオープンサイズが異なる(UTG2bb、BTN2.5bbなど)
  • SBはより大きな(12bb)3サイズベットを使用
  • ややポラーでトップヘビーなレンジを使用
  • SBの3betはサイズが大きいので、BTNのコールはきつい状況
  • 一般的な(SRPなど)最小ベットサイズは33%
  • SBがより頻繁にチェックする傾向(特に3betポット)がある。
ポラーでトップヘビーってことは、ポラライズになりやすいのかな…

basicソリューションの特徴

basicソリューションの特徴

  • 各ポジションのオープンサイズは2.5bbを使用
  • SBの3betサイズは11bb
  • ポストフロップのサイズが少ない(3betポットは最小が0.2xから)
basicって日本語にすると基本

simpleソリューションの特徴

simpleソリューションの特徴

  • オープンに対して3betかフォールドする。(BBのみコールあり。コールドコールがない。)
  • SBvsBBのリンプレンジがない
  • ポジションごとのオープンサイズが異なる
  • ポストフロップのサイズが少ない(3betポットは最小が0.33xから)
  • 最小サイズが大きいので、BTNは多くをフォールドしている
レンジが狭くなりやすいのかな…

complexソリューションの特徴

complexソリューションの特徴

  • 各ポジションのオープンサイズは2.5bbを使用
  • 直線的な範囲で小さい(10bb)3betサイズを使う
  • BTNはよりコールする
  • ベットサイズが多数ある(最小で0.1xベット)
  • サイズが細かく分けられるので、よりその傾向が見えやすくなる
サイズを選べるから、いろんな戦略をとれそう!

ターンのSBベット頻度

ターンSBの各ベット頻度を比較してみましょう。
(同じくSBvsBTN、3betポット、ボード「A♠T♥4♦8♥」。SBがCBを打ってBTNがコールしたターン比較。)

  • (general)「ラージベット20%、スモールベット30%、チェック50%
    (ラージベットが他よりも多め)
  • (basic)「ラージベット5%、ミディアムベット30%、スモールベット35%、チェック30%
    (スモールベットが多く、チェックは低め)
  • (simple)「ミディアムベット30%、スモールベット20%、チェック50%
    (スモールベットサイズが0.33x)
  • (complex)「ラージベット10%、ミディアムベット25%、スモールベット15%、チェック50%
    (スモールベットサイズが0.1x)
ここでチェック頻度に着目すると、basicが一番チェック頻度が少ないことがわかります。
だからYouTubeではbasic戦略を使ってたのかな!

ツイッター分析

どのソリューションが使われやすいのか、ツイッターで1日データをとってみました。

多くの人は「gengeral」を選択。

こうなると、gengeralソリューションタイプの戦略を多くの人はとりやすいということになります。

1つのタイプを選びやすいということは、デポラライズ戦略が欠けやすいというYouTube動画のリーク内容につながるかもしれません。

ツイッターの選択枠が4つしかなかったので、「general」「simple」「basic」「その他」にしかできませんでした。

「その他」には「complex」や「gengeral2.5(オープンサイズが2.5bb)」、「simple2.5」などが含まれています。

generalソリューションタイプ戦略がとられやすい!?

他にもデポラライズ戦略に注目することで、戦略を増やしていきましょう。

デポラライズ戦略を増やす具体例

YouTube動画では、さらにチェックレイズの戦略に移ります。

チェックレイズのデポラライズ戦略とは、レンジアドバンテージがなくても一定頻度レイズすること。

  • BTN vs SB(3betポット、100bb、nl500、6max、basic)
  • フロップ「A♠T♥4♦」
  • SB0.2xベット、BTNコール
  • ターン「8♥」
  • SB0.19xベット
    BTN「コール60%、レイズ33%、フォールド7%」

チェックレイズ

(ターンSBのエクイティ分布。左がSB、右がBTN)

SBはアドバンテージから小さなベット戦略をとりました。

ターン「8♥」でSBが0.19xベットをすると、BTNは33%はレイズを返します。

もしそこでBTNがレイズできないとしたら?

これはエクスプロイトポイントです。

BTNがレイズするハンドには、「レイズするエクイティはあるけれど、コールするエクイティはない、というハンド」が含まれています。

このレイズするハンドの多くがフォールドに回ったとしたら、SBはベットすることがさらに利益的になります。

相手がレイズできなければ、そのハンドをフォールドするしかなくなる!
ベットを増やすとフォールドが増えるって言うエクスプロイト戦略

レイズができないというリークを突くと、SBはさらにベットレンジ頻度をあげても利益的になるかもしれません。

では、データからレイズ戦略を見てみましょう。

チェックレイズする戦略

ターン「8♥」
SB0.19xベットを受けたBTN「コール60%、レイズ33%、フォールド7%」

SBベットを受けたBTNのエクイティ分布図

(左がSB、右がBTN)

ベットを受けたBTNは、レンジアドバンテージがないことがわかります。

BTNは不利な状況。

しかし、ここでBTNのレイズ頻度は33%。

どのようにレイズ戦略を立てているのでしょうか?

BTNがレイズするハンド(33%)をエクイティ分布に抜き出してみます。

(左がSB全体、右がBTNのレイズするハンド33%をピックアップしたもの)

BTNはレンジの中でエクイティのあるハンドとないハンドを構成して、このようなエクイティ分布を作り出します。

戦略の一つ。

  • SBがレイズ⇨エクイティが25-50のフォールドを狙う(フォールド率29%、BTNがフォールドする一番強い手はKK
レイズ戦略を立てると、不利でもまだ戦える気になってきた!

デポラライズ戦略|リバー

  • BTN vs SB(3betポット、100bb、nl500、6max、basic)
  • フロップ「A♠T♥4♦」
  • SB 0.2xベット、BTNコール
  • ターン「8♥」
  • SB 0.19xベット、BTNコール
  • リバー「2♣」
    SB「オーバーベット10%、ラージベット9%、ミディアムベット4%、スモールベット50%、チェック25%」

リバーを1番ラグになるカード「2♣」を選びました。

(リバーのSBからみたエクイティ分布。SB左、BTN右。)

エクイティアドバンテージやナッツアドバンテージはSBにある状態だとわかります。

SBのアドバンテージから75%はリバーベット。

SBの最も弱いバリューベットするハンドはKTs。

Kがキッカーの場合はベットするのですが、QTsやJTsなどはチェックです。

では、なぜTヒットをチェックするのでしょうか?

その答えはBTNのレンジをみるとわかります。

ターンのSBのレンジ

チェックするのは緑の部分。

SBがチェックをしたとして、BTNのレンジを見てみます。

SBがチェックしたレンジの多くをBTNもチェックしていることがわかります。

BTNのレンジもTをチェックバックしてくるので、ブラフでおろされることはありません。

エクイティの実現ができます。

もしここでSBが大きくベットした場合に、BTNはTヒットのハンドをブラフキャッチャハンドにまわします。

BTNのTヒットは広くコールが選択されるので、ブラフでフォールドさせるのは難しい状況。

SBがターンでオールインをした場合。
閾値からみる「最も弱くてコールできるハンド」は「KTs、QTs、T9s」(EVはほぼ0)

戦略はストリートごとに変わる

他にもハンドを見てみると、AAは小さいベットと大きなベットを混ぜています。

戦略

  • AAは相手のAヒットをブロックしているので、バリューターゲットが少ないと考えての小さいベット。
  • ナッツだから大きなベット。

ここにも複数の戦略が含まれます。

デポラライズド戦略「J♥8♥6♦K♠」3betポット

他のシチュエーションでも見てみます。

BTN vs SB(3betポット)

フロップ「J♥8♥6♦」
SBチェック、BTNチェック

ターン「K♠」
SB「オーバーベット33%、ミディアムベット17%、スモールベット20%、チェック30%」

ターンでKがでたことで、このようなエクイティ分布になりました。

(ターンSBから見たエクイティ分布。左SB、右BTN)

多くの人は大きくベットか、チェックするかといった二極化された戦略をとりがちです。

しかし、ここで示されているのは多数の戦略がある、ということ。
(SB「オーバーベット33%、ミディアムベット17%、スモールベット20%、チェック30%」)

ラージサイズベットもあれば、スモールサイズベットもそこそこあります。

例えば、小さくベットすると7より下のポケットペアや「A+ローキッカー」にフォールドしてもらうという戦略や、コールミスしてもらう戦略。

ポラライズでバリューを最大限に狙ったり、ブロックベットを打ったり、エクイティアドバンテージからの押し付けベットをしたりと、どのような戦略も可能です。

各%で分かれているってことは、戦略がいくつもとれるってことなんだね

デポラライズ戦略まとめ

特にOOPはデポラライズ戦略を混ぜないと、IPにチェックバックされることで簡単にエクイティの実現をされてしまいます

さらに注意点として、ポラライズベットはレンジにナッツが含まれているとき
(ここでのポラライズベットはジオメトリックサイズのこと
>>こちらを参照

各条件を見ていけば、デポラライズ戦略が広く必要とされているとわかります。

  • デポラライズ戦略⇨小さいサイズや中間サイズのベット戦略など、複数の戦略。ポラライズでない戦略。
  • ポラライズ戦略⇨大きめにベットするか、チェックするかの二極化(単純化)された戦略。

(ここでは特に「ポラライズ」を「二極化」という意味で使用しています。)

YouTube動画のリークで伝えたいポイントは、1つの戦略だけに頼らない、ということ。

複数の戦略を意識してください。

チェックでショーダウンバリューを狙うのか、小さいベットでより弱いハンドをフォールドさせるのか、相手のミスを誘うのか。

いろいろな戦略をこめることができます。

戦略をたくさんにしていこう!
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