ポーカーGTO初心者に贈るわかりやすいゲーム理論の話。

この記事はポーカーをやっていて、「GTO戦略って何?」と思っているGTO初心者の方に向けて書いています。

学術的や専門的には正しくないことが含まれますので、イメージとして捉えたい人向けです。

  • 数学的に説明されると理解が難しい…。
  • ポーカーってそんなに難しいの!?
  • 理解が出来ないから私って弱いのか…。

と思っている人に向けて、わかりやすくストーリーで説明したいと思います。

(私自身、数学で話されることが苦手です。私自身が理解した過程をたどって話したいと思います。
ちなみに、GTOはGame Theory Optimalの略。GTOはゲーム理論ともよばれていますが、GTOにはOptimal《最適な》が入っていますので、どう訳せばいいのかにはいろいろな論があるかもしれません。
日本語に直すと「GTO⇨ゲーム理論に準拠した」という意味になります。)

ポーカーGTO初心者にまず知って欲しいこと。

ポーカーでGTO戦略通りにプレイすることは、ある意味では「最適解」と言えます。

最適解は、みんながその戦略からはずれたくない状況をいいます。

その行動をとり続けることが最もよい状態だからです。

この部分がしばしば誤解をうみます。

じゃあGTO戦略をプレイできない私はずっと弱いの??
そんなことはないのは、ポーカーをプレイしているあなたが一番わかっているはず。
「私はGTO戦略なんて知らないけど、勝ててるよ!」
という人は多いからです。
この「最適解」の前提はゲームに参加しているみんながGTO戦略に従った結果、「最適解」になることを指しています。
言葉だけではわかりにくいので、GTO戦略を具体的なゲームからあなたに体感してほしいと思います。

ポーカーのGTO戦略を理解するためのゲーム。

少しこのゲームをやってみて下さい。

5人で数字あてゲームをします。

①参加者が1から100の中でどの数字を書くのかを予想して投票する
②その合計を参加した人数で割る
③あてる数字は②の数字を0.7で割った数字

とりあえず、数字を予想してみよう!
みんなは1から100までどんな数字を書くのか、まずは予想してみます。
あの子は100って書くかも…。あの人は60?!とりあえず真ん中をとって50!
予想してみましたか?
このゲームに参加してみることがGTO戦略を理解する一歩です。
最適解の答えは
「0」です。
えっ、なんで!?
これがGTO戦略に従った場合の最適解になります。
最適解は勝てる答えというわけではありません。
説明すると、「③の0.7をかける」が肝!
みんなの予想値を足してみます。
5人なので、ランダムに計算しやすい5つの数字を並べてみましょう。

「50+50+40+40+20」

これらの数字を足すと200で、この200を5(参加人数)で割ると40。

さらにこの40に0.7をかけると28。

28にもっとも近い数字を書けた人が優勝なので、今回は20を書いた人が優勝です。

5人の参加者の優勝者は「20」を書いた人です。

「20」と書いた人はどのように数字を当てにいったのか予想してみて下さい。

まず真ん中の数字をとって50と予想。
そこから③の0.7をかけるが気になったから、50より低めに書いてみた!

③を考えて低めに数字を書いたことが勝敗を分けた理由。

そっか、ゲームには0.7をかけるってルールが追加されてたから、真ん中の50より小さい数字を書いておけばよかったんだ!
今回は20と書いた人が優勝でした。
③を理解したあなたは次にこのゲームに参加するときにはどのように数字を書くでしょうか?
参加者みんなが低めの数字を書けばいいって今回のことで知ったよね。。ということは今回は10って書いてみようかな!
2度目はみんなが低い数字を予想しました。
ランダムに計算しやすい5つの数字を並べます。
「10+10+5+5+20」を足すと50。
50÷5=10で、さらに10に0.7をかけると7。
今回は5と書いた人が優勝です。
このゲームを続けていくと、参加者は一番低い数字を書けばいい、ということを学びます。
数字に0.7をかけるので、答えはどんどん小さくなっていくからです。
なので、最終的にたどり着く最適解は「0」
みんながみんな0と書くならば、それより上の数字を書くと負けるとわかっているからです。
これがみんなが離れたくない戦略

最適解は、みんながその戦略からはずれたくない状況。

その行動をとり続けることが最もよい状態だからです。

この0を書き続けることがGTO戦略に従う状態です。

GTO戦略はみんながルールを知って、それに従っていった場合に離れたくない戦略をいいます。

最適解を書けば勝てるの?

数字あてゲームの最適解は「0」ですが、「0」と書いていれば勝てるわけではありません。

第一回戦は「20」と書いた人が優勝でした。

「50+50+40+40+20」

この中の一つの数字を「0」にしたとしましょう。

「50+50+0+40+20」これらを足すと160。
160÷5=32
32×0.7=22.4

ここでは変わらずに「20」と書いた人が優勝しました。

みんながルールに従っていなければ、最適解を書いたとしても優勝はできないのです。

このゲームをポーカーに当てはめてみましょう!

ポーカーのGTOで考えてみよう!

ローステークスの段階

あなたはまだポーカー初心者が多いステークスでプレイしています。

そんな中でGTO戦略に従って最適解の「0」をだして言った場合、あなたは負けることが多くなるでしょう。

先ほどのゲームで言えば、「20」に近い数字を書いた人が優勝なのに、「0」を書いてしまう状態。

この状態だと負けてしまうことは容易く想像できます。

では、この段階で勝つにはどうすればいいのでしょうか?

相手の予想+ちょっとルールに従う
みんなが「50」を予想してプレイしていく中、あなたは相手を読んで「20」でプレイしていくのがもっとも勝てる状態です。
このステークスでGTO戦略の最適解にだけ従ってプレイすることは、勝てることにつながりません。

中間の段階

GTO戦略を正確にプレイできる人は実際には少なめです。

上級者であっても頻度の低い状態になるとGTO戦略の最適解を調べています。

また、そんな状態でなくても、本人の癖でレイズに偏ったり、チェックに偏ったりしてしまうことも。

中間の段階としては、ゲームで「5」を書いた状態。

第2回目のゲームでも、実は「0」と書くと負けてしまいます。

「10+10+5+5+20」を足すと50。

この1つを0にしてみます。

「10+10+5+5+0」を足すと30。
30÷5=6
6×0.7=4.2

今回も「5」と書いた人が優勝しました。

参加者みんながルールを理解した状態でなければ、最適解「0」という状態にはならないのです。

中間の段階においても、GTO戦略に従うよりは相手を読んでプレイした方が利益的になる場合が多々あります。

GTO戦略を理解した同士のプレイ

GTO戦略を理解した同士のプレイでは、最適解が「0」になります。

ただし、この状態は勝ち負けがでてきません。

みんな引き分けです。

では、GTO戦略を理解した人はどのようにプレイしているのでしょうか?

プレイ上級者に聞いてみると、プレイをわざとずらす、という戦略を取るそうです。

じゃんけんの必勝法というゲームを例にとります。

じゃんけんを何度もやるときに、相手に勝つにはどうしたら一番勝率が上がるのでしょうか?

じゃんけんのGTOはグー・チョキ・パーをランダムに出すことです。

みんながみんなその戦略から離れようとしません。

なので、じゃんけん必勝法では初めにわざと自分のミスを見せるそうです

じゃんけんぽん!あ、またパーを出して負けちゃった。。私はパーを出しやすいのかな?

相手(この人はパーを出しやすいんだな?それなら私は気が付かれないようにチョキを多めに出そう。)

このように相手のミスを引き出します。(ミスというのはGTO戦略から外れる戦略のこと)

(よしよし、作戦どうり相手のチョキが多くなった!さて、私はグーを多くしよう。)
このようにGTO(グー・チョキ・パーをランダムに出す)状態をわざと崩して、チョキやグーを多くした結果、あなたはゲームに勝利することができました。
GTOを知った上で、わざと崩していく状態がじゃんけんの必勝法です。
なので、ポーカー上級者もGTO戦略に従っていればいいわけではありません。
それだと、負けない状態を作り出しているだけだからです。
相手のミスを誘ったり、相手のミスを見つけ出したりして自分の戦略を変えることをエクスプロイト戦略といいます。
エクスプロイトとは相手を搾取すること。
自分自身もグーをずっと多く出していると搾取されてしまうので、相手を読んでまた戦略を変えなくてはいけません。

ポーカーGTO初心者に贈るわかりやすいゲーム理論の話まとめ

GTO戦略を理解すると…

  • GTO戦略を理解するだけではゲームに勝てない。
  • GTO戦略を学ばないとゲームに勝てない。

この二つの側面が見えてきます。

ゲームというのは、相手の主観的予想を予想して予想して‥‥という状態の∞ループです。
>>ゲームとは

GTO戦略の理解をポーカーゲームに役立てていくとよりポーカーが楽しめるのではないでしょうか。

他にも、「初心者がブラフを出来ない理由」などを具体例から説明しています。

なんとなくGTO戦略をイメージで掴んでもらえれば嬉しいな。
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