ポーカープレイヤーにとって最も大切な10の考え方(GTO ウィザード参照)

GTOウィザードといえば、GTOを学ぶための解析ソフトです。

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GTOウィザードのYouTubeはこちら。
>>GTOウィザードYouTube

動画はすべて英語なので、ブログで翻訳してそのまとめを紹介していきます。

前回はこちら。
>>「97%のプレイヤーが正解できないGTOポーカークイズ」

今回紹介するのは、

「10 Most important Concepts for Poker Players」
「ポーカープレイヤーにとって最も大切な10の考え方」

参考にした動画はこちら。

GTOウィザードが言う10のもっとも大切なことって気になる!

10の最も大切なこと。

  1. ゲーム理論の力学
    Mechanics of game theory
  2. 閾値(境目となる値)
    Thresholds
  3. ハンドの問題じゃなくて、レンジの問題
    It’s not about your hand, it’s about your range
  4. EVを最大化するのは、ポットを獲得する頻度ではない。
    Maximize EV, not how often you win the pot
  5. ビックカードの過大評価はやめよう
    Stop overvaluing big cards
  6. あなたのEVのほとんどは、ナッツハンドからきている
    Most of your EV comes from nutted hands
  7. プリフロップ戦略をマスターしよう
    Master your preflop strategy
  8. 多くの発見的手法(ヒューリスティック)は、偏見に基づいている
    Most of your heuristics are based on lies
  9. 分散は想像以上に大きい
    Variance is bigger than you can imagine
  10. 中程度の強さのハンドをオーバープレイするのをやめる
    Stop overplaying medium-strength hands
これら10個を説明できるようにしていきましょう!

GTOウィザードが大切にする考え方①ゲーム理論の力学

ゲーム理論の絶対的な基礎知識を学びましょう。

数学的な概念「無差別、エクスプロイト、SPR、エクイティ、EV、ポットオッズ、MDF、コンビネーション、エクイティリアライゼーション」などです。

あなたはこれらの考え方をテーブル上で計算する必要はありません

ただセンスに影響させます。

例えば、対戦相手が大きなベットをした場合に、あなたがディフェンスしなくてもよい理由はどこからきているのか。

スタックが小さな相手のベットを受けられるか、受けられないのか。

どのようにその力学が実際に働いているのかを感覚として掴むことが成長につながります。

座学がセンスにつながるんだね!

GTOウィザードが大切にする考え方②閾値(境目となる値)

閾値を知りましょう。

閾値⇨境目となる値。無差別のライン。
(閾値のイメージ図⇨赤線はバリュー、緑はコール、青はフォールド)
ポーカーでいう閾値は無差別のラインで、この考え方があると⇩の問いを自分で立てられるようになります。
  • このハンドをこのスポットですべて入れきるのは適正か。
  • このハンドはバリューレイズに適正か。
  • このハンドはコンティニューするのに適正か。

問いの意識から、私がフォールドしたもっとも強いハンド、私がコンティニューしたもっとも弱いハンド、私がベットできるもっとも弱いハンドという解析がGTOで調べられるようになります。

さらに、異なったボード、異なったテクスチャ、異なったポジションではどうなるのか、ということにも目を向けられます。

初心者は大量にそれらの閾値をミスしています。

中程度のハンドでオーバープレイをしてしまうのも、この閾値のミスです。

どうやって調べればいいのかな?

閾値を知る具体例

例を見てみましょう。

BTNがオープンして、BBがコール。(SRP 50nl)
フロップ「Q♠J♥6♥」
BBチェック、BTNはこのボードで頻度が高い0.75xをベットします。
BBはどのくらいコールできるでしょうか。

BBのコールハンドをすべて覚えるのは無理です。

ここでGTOウィザードを使っていきます。

フロップ戦略

BBのコールハンドにたいして「horizontal」をクリック。

すると、フラッシュドローでコールすべきハンドが見えてきます。

各ハンドのスートも調べられるんだね

次に、「FILTERS」をクリック。

「あなたがフォールドすべきもっとも弱いハンドは何か?」を自分で問題にしてみます。

でてきた図を見ると、

  • バックドアのないJ8s、J9sあたりが該当します。
  • 同様に6xのバックドアなしはフォールドしています。
  • ポケットペアでは99から下はフォールドしています。

分析からあなたは96sのバックドア持ちが9ポケよりコールできることを知ります。

この時点では9ポケのが強そうなのに…

強いドローはコールできること、ガットショットではフォールドよりだということもわかります。

0.75xベットがおわったら、次はCBサイズを変えてその値を見てみましょう。

0.33xの場合はポケットペア(ハート持ち)ならコールできるとわかります。

ターン戦略

次にターン戦略。

わかりやすいようにサイズを分割してみられる機能があります。

(画像右下の黄色に塗ってある箇所)

この個所をクリックすると、サイズを細分化したり、大まかに表示したりできます。

次に、オーバーベットの構成比(⇩の黄色で囲ってある箇所をクリック)も見ることができます。

オーバーベットの構成比が出てきます。

構成比をみていくとトップペアの多くがベット。

そして、Jヒット(セカンドヒットのマージナルハンド)はチェックということがわかってきます。

あなたがこの閾値のラインを知れば、あなたのレンジ構築がよりよいものになります。

さらに、あなたがハンドを解析したときに、そのポイントについて自分自身で問いにしたり、その答えに対して説明したりすることができるようにもなります。

こうやって考え方も磨かれていくんだね

GTOウィザードが大切にする考え方③ハンドではなくレンジの問題

ハンドの問題じゃないくて、レンジの問題

一つのハンドプレイについて執着する代わりに、あなたはレンジ全体でプレイしましょう。

一歩下がって全体像を見てください。

ブラフとバリュー比率を含むいくつかのアクションを構成をする必要があります。

個々の頻度が正しくなくても、実際に重要なのはレンジの全体的な構成です。

具体例

例えば、あなたは86sでオープンしたとします。

プリフロップ表ではオープンレンジにないハンドだったとしても、それはあまり関係がありません。

実際の問題は、あなたがどのくらいの頻度でオープンしているか、です。

もしあながた広いレンジでオープンしていたら、対戦相手は3betを多用するなどエクスプロイトしてきます。

あなたのオープンがタイトだったら、対戦相手はオーバーフォールドしてくるでしょう。

その場合、あなたのAAは十分な見返りを受けれないこともあるかもしれません。

相手はレンジ全体であなたのタイプをとらえてきます。

一つのハンドに囚われがちだけど、全体的なバランスでとらえたいね!

GTOウィザードが大切にする考え方④EVの最大化はポット獲得頻度ではない

EVの最大化はポットを獲得する頻度ではない。

Novices tend to try always win the pot, rather than maximizing their EV.
「初心者はいつもポットをとりたがる。EVを最大化するよりも。」

えっ、たくさんポットが獲得できればいいと思ってた…

ポットを獲得する回数はEVを最大化させません。

人間の癖として、負けた時の方が強く覚えているのはバイアス(偏見)の一つ。

なので、負けが少ない方がよいと思いがちですが、こちらの具体例から考えてみます。

EV最大化の具体例

あるゲームをします。

サイコロを振って1~5が出た場合に、あなたは$10支払わなければいけません。

けれど、6が出たらあなたは$100ゲットできます。

あなたはこのゲームに参加しますか?

5回負けてマイナス$50でも、次に勝てば結局プラス50になるって考えるとオッズ的に良い!!

オッズ的にこのゲームに参加するほうが得です。

この場合、あなたの負けは多くなるけれど、結果的な利益は大きくなります。

このような考え方をポーカーでもします。

いつでもラインをとれるようなベストプレイは、小さなポットをたくさん逃すことはあるでしょうが、結果的には大きな勝ちをおさめます。

ポーカーでのEV最大化の具体例

BTNがオープンして、BBがコール。(SRP 50nl)
フロップ「Q♠J♥6♥」
BBチェック、BTNは0.33xベット、BBはコール。
ターン「2♦」
先ほどの例と同じボードです。
ターン「2♦」ではたくさんのドローがありました。

しかし、初心者はドローの多くをベットすることを怖がります

例えば「54s、AT、KT、T9やハートのフラッシュドロー」などのベットです。

初心者の多くはドローでベットする代わりにセカンドペアやサードペアでバレルを打ってしまいます。

なぜなら、彼らはドローが成立しないことにおびえているからです。

しかし本当は、「どんなベットにもフォールドしたくなるようなドローでコールするハンド」はインプライドオッズを含んでいます。
インプライドオッズ⇨隠れたオッズ

もしBTNがターンで大きなベット(1.25x)を打った場合、BBの5♥4♥はコールですが、エクイティは29%のみです。

この場合に勝率が3分の2もないので、3回に2回は負けます。

しかし、ヒットした場合にインプライドオッズや他の要素が見込まれるのでコールできるハンドになっているのです。

役が成立したとして、そこから得られるバリューを付け加えるからインプライドオッズコールができるんだね!

同じように、A♥7♥もコール。

ターンの時点ではただのエースハイですが、エクイティは48%で54sよりもコールするハンドです。

よく上級者ほどタフコールするという話も聞くけど、インプライドオッズやブラフとかいろんな要素を考えてるんだろうな

GTOウィザードが大切にする考え方⑤ビックカードの過大評価はやめよう

多くのレクリエーショナルプレイヤーはビックカードを過大評価しています。

例えば、レクリエーショナルプレイヤーは「AJo」を3betや4betで戦いますが、多くの場合に「AJo」はフォールドに傾きます。

ビックカードはたびたびポットを獲得するに値しません。

「ビックカード」だから、「プレミアハンド」というわけじゃないんだね

オーバープレイは逆インプライドオッズ(マイナスのインプライドオッズ)にさらされることに。

逆インプライドオッズ⇨例:プレミアハンドにドミネイトされているけれど、下りられない状況など。

なので、あなたはビックカードからのバリューに制限をかけましょう。

例えば、「JJ」をオーバープレイしない、とかもそうだね。
>>「JJ」のプレイ方法

この指摘は次の段落「あなたのEVのほとんどは、ナッツハンドからきている」に関与します。

GTOウィザードが大切にする考え方⑥EVのほとんどはナッツハンドからきている

あなたのEVのほとんどは、ナッツハンドからきている

ナッツハンドはあなたが予期するバリューの大半をしめます。

これはスタックがディープになるほど、その傾向があります。

この真実はプレミアハンドの比率からすると大半のハンドはとんとんに近いことをあらわします。

なので、あなたはナッツハンドをうまくプレイする必要があるのです。

さらに、対戦相手にプレミアハンドにペイオフしてもらうために、バリューとブラフを構築したりします。

ナッツハンドの扱い方もマスターしたいね
>>「AA」で回避すべき3つのミス

バリューの可視化

友人のケビンが数年前にとったグラフです。

(動画12分の画像。左の多くがプレミアハンド、オレンジがビックカードというように、オープンするハンドの予期されたバリューを可視化したもの)

ボタンオープンレンジで予期されたバリューです。

AA・KK・QQ・AKなどのプレミアムハンドはあなたの予期されたバリューの大半をしめます。

この画像のサイズはEVと等しくなっています。

そして、ビックカードはプレミアハンドに負けやすいということも、⑥の「ビックカードを過大評価しない」ということにつながります。

ナッツハンドをうまくプレイすることは、結果的にウィンレートを得る基礎になります。

プレミアハンド「AA、AK、KK、QQ」は上位3%の強さのハンド!
全体図でみると、こんなにバリューがあるんだね!

GTOウィザードが大切にする考え方⑦プリフロップ戦略をマスターしよう

プリフロップをマスターすることは、結果的にもっとも早く、もっとも効果的にポーカーを急成長させます。

プリフロップが上手になることは、ポストフロップも上手になることにつながります。

Make your preflop strategy automatic
「プリフロップ戦略を自動化しましょう」

暗記…なかなか覚えられない…
そんな方のために、GTOウィザードでは新しい練習モードが搭載されました。
練習モードでは練習を通して実践的にプリフロップを覚えることができます。
>>練習モードの使い方YouTube動画はこちら。

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GTOウィザードが大切にする考え方⑧発見的手法(ヒューリスティック)は偏見に基づいている

多くのあなたのヒューリスティック(発見的手法)は、偏見に基づいている。

あなたが思いつくほぼすべてのヒューリスティックは、必然的に誤った仮定に基づいています。

確証バイアス⇨自分がすでにもっている先入観や仮定を肯定するような情報ばかりを集める傾向性のこと。
間違っててもそれを認めたくなくて、自分にとって都合が良い情報ばっかり集めちゃう…

勝つためのプレイに対するあなたの認識(メタ認識)は、リスク回避などの潜在意識の要因によってバイアス(思い込み)がかけられます。

④のポットをたくさん獲得すればいいっていうのもこのバイアスから来てるんだね

しかし、本当の成長は古い習慣をとりのぞいて、あなたの視野を広げることです。

視野を広げる一歩としてソルバーで計算してみましょう。

ソルバーはあなたを混乱させます。

混乱!?納得じゃなくて、混乱するために調べる…

それでも、多くの人はソルバーを見ても、自分の古い世界で心地のよい情報(確証バイアスだけをみて、なぜこのプレイは間違っているのかという解読をしないかもしれません。

The more you know the more you know you don’t know
(動画の言葉を抜粋)
「あなたが知れば知るほど、自分が何も知らないということを知る」

自分の無知を受け入れない限り、成長ができません。

「ダニング=クルーガー効果」とか、「無知の知」とか、心理学や哲学にも通じる考え方だね
>>「無知の知」の意味

GTOウィザードが大切にする考え方⑨分散は想像以上に大きい

分散は想像以上に大きい。

ギャンブラーの誤謬はポーカープレイヤーに共通しておこります。

具体例。
あるコインを6回なげて、6回とも裏がでました。
では、次に投げた場合にはどちらがでますか?

「6回とも裏がでるなんていかさまだ!」
なんて、次の確率は違うと思ってしまいませんでしたか?
確率はいつも50%50%で変わりません。

次こそは表!なんて思っちゃうかも…

分散グラフ

これはある分散の図です。

動画で参考にしているサイト(日本語表示もあり)はこちら。
>>Primedope

BBのウィンレート5bb/100bb(100ハンド毎に5bbの利益があるという指標)の結果をみていきましょう。
(通常の6MAXゲーム)

  • 1000ハンドの結果を見てみると、43%は負けているという結果。
  • 10000ハンドの結果を見てみると、30%は負けているという結果。
  • 100000ハンドの結果を見てみると、5%は負けているという結果。
10万ハンドにもなると、一年間負け越していることも…

これらからいえることは、ポーカーはスキルのゲームであるとともに、ギャンブル(運)の要素もあるということ。

運とスキルの両方を受け入れる必要があります。

このゲームはかなり多くのダウンスイング(運が悪い時期)の要素があることを受け入れてください。
>>ダウンスイングとは

GTOウィザードが大切にする考え方⑩中程度の強さのハンドはオーバープレイしない

中程度の強さのハンドをオーバープレイするのをやめる。

中程度の強さのハンドはショーダウンバリューレンジにしましょう。

多くのアグレッシブな弱いプレイヤーは2つのレンジを持っています。

①「あきらめるレンジ」と②「なにがなんでもポットをとろうとするレンジ」。

そのようなプレイヤーは決して中程度のハンドをショーダウンで勝つことができません。

なぜなら、そのようなハンドはベットしてしまうからです。

多くはフォールドされたり、強いハンドには負けてしまったりします。

ショーダウンバリューやエクイティリアライゼーションの大切さはまた別の動画で語ってくれるみたい

バリューとブラフを構成して、対戦相手に弱いハンドなのか強いハンドなのか推測させましょう。

そして、中程度の手はチェックしてエクイティを実現させます。

中程度の手をベットすると、ポラライズレンジが作れないんだね!

GTOウィザードが大切にする考え方まとめ

まとめます。

10の最も大切なこと。

  1. ゲーム理論の力学
    ⇨ゲーム理論をセンス(感覚)に影響させる
  2. 閾値(境目となる値)
    ⇨閾値を意識して、自分の問いを増やす
  3. ハンドの問題じゃなくて、レンジの問題
    ⇨1つのハンドに執着するより、プレイ全体を見る
  4. EVを最大化するのは、ポットを獲得する頻度ではない。
    ⇨インプライドオッズがEV最大化に影響する
  5. ビックカードの過大評価はやめよう
    ⇨ビックカードは逆インプライドオッズを含みやすい
  6. あなたのEVのほとんどは、ナッツハンドからきている
    ⇨プレミアハンドの上手なプレイ方法を知ると利益的
  7. プリフロップ戦略をマスターしよう
    ⇨プリフロップを自動化できるくらい覚える
  8. 多くの発見的手法(ヒューリスティック)は、偏見に基づいている
    ⇨自分の無知を受け入れて成長する
  9. 分散は想像以上に大きい
    ⇨ポーカーは運とスキルのゲーム
  10. 中程度の強さのハンドをオーバープレイするのをやめる
    ⇨バリューとブラフのポラライズレンジと、中間のショーダウンバリューレンジを構築する。
この10個を知っただけで強くなれた気がする!!
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