テキサスホールデムポーカーは、より情報を集められた方が有利なゲーム。
不完全情報(不完備情報)ゲームだと言われています。

テキサスホールデムポーカーでのポジション
ポーカーでは順番ごとに呼び方があります。
ここでは6人テーブルの場合をみてみましょう。
一番初めにプレイする人から順番に呼んでみます。
UTG(アンダーザガン)
⇩
HJ(ハイジャック)
⇩
CO(カットオフ)
⇩
BTN(ボタン)
⇩
SB(スモールブラインド)
⇩
BB(ビックブラインド)
では、不完全情報ゲームだとしてどの席が一番有利なのでしょうか?

(プリフロップ⇨ボードにカードが配られていない状態、フロップ⇨場に3枚のカードが並んでいる状態)
UTG⇨HJ⇨CO⇨BTN⇨SB⇨BB
SB⇨BB⇨UTG⇨HJ⇨CO⇨BTN


ポジションごとの呼び方の由来
まずはUTG(アンダーザガン)から。
UTG(アンダーザガン)
文字通り、銃口を突き付けられている状態、というのがアンダーザガン。
一番初めに選択をしなければいけないので、不利!
その不利具合を表してアンダーザガンといいます。
HJ(ハイジャック)
二番目にプレイする人のことで、6人だとハイジャックかミドルジャックと呼ぶのが一般的。
人数が増えるにつれて、UTGとCOの間に新たな呼び方が増えます。
UTG⇨UTG+1(アンダーザガン+1)⇨LJ(ロージャック)⇨HJ
というように呼び名がプラスされていくのです。
このハイジャックの由来はあまり明確には知られていません。
が、アメリカでは「ジャック」という男の人の名前が多い。
そして、アメリカで法を破りたいときにある人が銃口を突き付けて
「おい!ジャック!手を上げろ!!」
というように脅したそうです。
これが伝わって日本では、「バスがハイジャックに合う」などと言われるようになっていますね。
このハイジャックも、銃口に関係があるのかもしれません。
CO(カットオフ)
次の順番のBTNのスチールをカットする(遮る)ことからカットオフと呼ぶそうです。

初めは少額のブラインド額も、トーナメントでは時間がたってくるとその額が上がってきます。
勝負の決め手になることもあるのがスチール。
さらに、トーナメントでなくても、BTNまでみんなフォールドしていた場合に、SB、BBの人の状況によっては奪うことができます。
それをカットするポジションにいるからカットオフと呼ぶそうです。
BTN(ボタン)
ボタンは正式にはディーラーボタン。
ボタンの順番がくると、その人がボタンだとわかるようにディーラーボタンが置かれています。
自分のポジションがわからなくなった場合に、ディーラーボタンが置かれている位置をみるとわかるのです。

SB(スモールブラインド)
スモールブラインドはそのままビックブラインド額よりはスモール(少ない)金額を支払うポジション。
多くはビックブラインドの半分ですが、ルールによっては異なります。


BB(ビックブラインド)
ビックブラインドは初めからビックなブラインドを支払っている状態。
その分不利なのですが、もともと賭けているのだから、参加するハンドレンジ(手札の範囲)が広いのが特徴です。
他のポジションとハンドレンジが違うので、ビックブラインドのポジションとしてハンドレンジを覚えていく必要があります。

テキサスホールデムのインポジションとアウトオブポジション
テキサスホールデムは順番によって有利、不利があります。
それを表したのがこのインポジション、アウトオブポジションという考え方。
インポジション⇨前の人の情報が分かる人
アウトオブポジション⇨自分から情報を発する人
つまり、インポジションにいる人が有利ということです。
多くの場合BTNがインポジションになります。
前の人がレイズした、コールした、という情報を得てから自分の順番がくるからです。
相手の情報がわからないアウトオブポジションの人は、インポジションの人の動向を予想しつつ選択しなければいけません。
インポジションなら情報がわかっていて思い切りレイズ(倍がけ)できるときも、アウトオブポジションだから控えておこう、という判断にもなります。

さらに、ポーカーはフロップからは順番が変わります。
ということは、元はインポジションにいたSBやBBがアウトオブポジションになる。
そのことで気をつけなければいけないことはあるのでしょうか。
SBやBBのハンドレンジ表について
GTOウィザード(ポーカー解析ソフト)のハンドレンジ表では、SBやBBがプリフロップのときにレイズする倍率が高い!
UTGがレイズ2していた場合、SBはレイズ10(レイズ2に対して5倍)、BBならレイズ12しなければいけない状況。
(ちなみに、HJはレイズ6,5 COはレイズ6,5 BTNはレイズ7,5でこちらもレイズする場合は高い)
その理由は2つ。
- もともと参加してきた人々は自信があるから参加してきたので、高い倍率にしなければ下りてくれない。
- インポジションにいるときに優位性を保っておく。
例えばSBが初めにレイズ3してきたときに、BBは高い倍率(レイズ12)ではなくレイズ10でよくなります。
なぜなら、2週目以降も順番に変化がなく、BBはSB⇨BBというインポジションを保てるからです。
しかし、BTNが初めにレイズしてきたとき、BBがそれに対してレイズする時は高めの倍率にします。
GTOウィザード表では、BTNに対してBBはレイズ13。(レイズ2に対して6,5倍)
なぜなら2週目以降はBB⇨BTと順番に変化が起こります。
他を下ろしたいし、優位性を残しておきたいので高めにかけます。
ここでのSB、BBは各プレイヤーの情報が得られているので、それにそった選択ができるから高めにかけられます。
SBやBBがレイズで参入する場合に、安いレイズは意味がないと考えて下さい。
安いレイズでは下りてはくれないし、その後の優位性も保てなくなるからです。
例えば、フロップで「4♣T♣Q♦」がボードに落ちたとします。
この場合もしかしたら、初めに強くベットしておけば♣のフラッシュを完成させられるような確率を下げておけるのです。

ただし、自分からレイズを打っていくハンドレンジは狭いことにも注意が必要です。
とても強いハンドで参戦します!
なので、そこまでレイズする目的がない場合はハンドレンジに従ってコールします。
基本的にBBのコールレンジは広いです。
元からのブラインド額がある分、コールできるレンジが広がっていると考えます。
テキサスホールデムポーカーでの順番で勝率は変わる?
テキサスホールデムポーカーは不完全情報ゲームなので、順番によって有利不利があります。
多くの場合BTNが一番有利。
ポジションによってインポジション、アウトオブポジションと言います。
それほど情報が大切なのです。
なので、ハンドレンジ表では、UTGの参加レンジが一番狭く設定されています。
COならレイズしたけれど、UTGだからおりた!
というようなハンドも多々あります。
なぜこんなに正確にしたいのかといえば、ポーカーは不完全情報ゲームと言われていますが、2017年にAIがポーカープロを破りました。
100回ではプロのほうが強いかもしれませんが、何十万回と確率にそってプレイすることによって、AIが勝利を収めていくと考えます。
複雑になっていくとその度ごとの最善手を知るのは大変なのですが、初めのレンジ表は暗記しておくといいかもしれません。
>>初期のハンドレンジ表についてはこちら