このブログではJonathan Little(ジョナサン・リトル)のYouTube動画を紹介してきました。
前回18作目「2 HUGE Postflop MISTAKES To Avoid」
>>ポストフロップで避けるべき大きなミス2選
今回19作目。
「Playing the River in No-Limit Hold’em」
リバーのプレイ方法
参考にした動画はこちら。

- バリュー
コールされた時にショーダウンで50%以上勝っていると思われるときにベットすること。
ゴール⇨勝っているハンドから可能な限りの最大限のバリューをとる - ブラフ
コールされたら100%負けていると思われるときにベットすること。
ゴール⇨相手の良い手をフォールドしてもらう。対戦相手にあなたのバリューベットをコールしてもらえるようにする。
この2つの考え方は基礎になります。

この講義ではリバーでベットするための質問が8つ用意されています。
リバーベットするための問い8つ。
- リバーのバリューベットのサイズ分けはいくつ?
「How many bet sizes should I be using to bet for value in this spot?」 - サイズの具体的な数値は?
「What sizes should they be?」 - レンジをどのくらい正確に構成すべき?(カテゴリー分けと構成)
「How exactly should I structure these ranges?」 - 何パーセントのブラフが必要?(サイズごとのブラフ比)
「what percentage bluffs do i need to have(for each size)?」 - リバーカードはレンジとエクイティにどのように影響する?
「How did the River card impact my range/equity?」 - このハンドはベットするか、チェックするか。
「Should I bet or check this exact hand?」 - もしバリューベットを打つとしたらこのハンドはどのくらいのサイズを打つべき?
「If I bet for value, which size should I use?」 - もし私がブラフを打つとしたら、なぜ私はこのハンドをブラフに選んだのか?
「If I bet as a bluff, why am I choosing this hand to bluff with?」
①~⑤はあなたのレンジから分析し、⑥~⑧はあなたのハンドから分析してください。

では、この質問を具体的に見ていきます。
リバーベット攻略①レンジからバリューサイズを2つに分ける

- 特別なマックスバリュー(レンジの上位に位置するハンド)
- Thinバリュー(勝っているだろうハンド)
一般的なルール:プレミアムハンドでは大きくベットして、薄いバリュー(Thinバリュー)を狙うハンドでは小さくベット。
これはアンバランスにならないように練られた戦略です。
この2つのサイズをバリューだけでなくブラフでも使うことで、あなたはよりバランスが取れるようになります。
では、この2つに分けた具体的なサイズを見てみましょう。
リバーベット攻略②レンジからバリューのサイズを決める
あなたのベットサイズの指針はこちら。
2つのベットサイズ
- スモールサイズ⇨ポットの10%~50%
- 大きなサイズ(ポラライズ)⇨ポットの67%~500%以上


ポラライズが必要な理由
この戦略は、ポラライゼーションと呼ばれます。
ポラライズベットについて。
完璧なポラライズの定義
- バリューベット(高いナッツから低めのナッツまで)を最大限のサイズで可能な限り行う。
- コールされればバリューハンドはいつも勝ち、ブラフハンドはいつも負ける。
- ポラライズのゴール⇨対戦相手にポラライズベットでもコールしてもらえるようにする。
対戦相手はあなたにブラフがないとわかれば、大きなベットにはフォールドすればよいという戦略をとります。
しかし、あなたにブラフがあるとすれば、相手はそのベットにコールすると利益が得られる(コールしないと負けてしまう)のでコールするようになるのです。
対戦相手がコールできるようになる具体例。
あなたはリバーでポットサイズベットをうちます。(完璧にポラーになったレンジで)
レンジは67%のバリューハンド(絶対勝つ)、33%のブラフハンド(絶対負ける)で構成されています。
この場合、対戦相手はフォールドばかりしていると負けです。
対戦相手はコールしたときに3回に1回勝てば結果的にEV(期待値)は0になり引き分けになります。
対戦相手にとってもっとも良いのは、コールしてもマイナスにならないこと。
ブラフがあるから、対戦相手はコールしてくれます。
このためにブラフが必要なのです。

>>ポットオッズ
リバーベット攻略③レンジからハンドを4つのカテゴリーに分ける

- プレミアムハンド⇨ベストハンド。大きく打ちたいハンド(65%~100%)
- Thin Value(シンバリューハンド)⇨薄いバリューが取れるくらいのマージナルハンド(50%~65%)
- ショーダウンバリューハンド⇨たまにチェックすると勝てるハンド(30%~50%)
- ノーショーダウンバリューハンド⇨チェックすると決して勝てないハンド(0%~30%)
4つのカテゴリーの具体例
この具体例からイメージしてみて下さい。
ボード「T♣9♥5♠K♠3♠」
- 「A♠T♠」
- 「J♦9♦」
- 「A♥4♥」
- 「8♦7♦」
これらのハンドをカテゴリー分けしてみます。
- 「A♠T♠」⇨①プレミアムハンド(Aフラッシュナッツ)
- 「J♦9♦」⇨②シンバリューハンド(サードヒット)
- 「A♥4♥」⇨③ショーダウンバリューハンド(Aハイ)
- 「8♦7♦」⇨④ノーショーダウンバリューハンド(8ハイ)
このようになります。
では、実際にやってみましょう!
あなたはBTNからオープンして、BBがコール。
BTNはCBで0.33xベットして、BBがコール。
ターンチェック・チェック。
リバーBBはチェック。
あなたは1~4のハンドをどのようにカテゴリー分けしますか?
ボード「A♦6♥7♦J♠J♣」
1「A♣2♣」2「J♥T♥」3「T♦8♦」4「7♣6♣」

- 「A♣2♣」⇨Thinバリューハンド(Aヒット)
- 「J♥T♥」⇨プレミアハンド(Jのトリップス)
- 「T♦8♦」⇨ノーショーダウンバリューハンド(Tハイ)
- 「7♣6♣」⇨ショーダウンバリューハンド(7ヒット)
ショーダウンバリューハンドはチェックになりますが、他はベットがあります。
では、このカテゴリーを使って、ベットとチェック構成をみてみます。
カテゴリー分けからレンジ構成を見ていく
(画像が見えにくい場合、動画13分30秒の個所)
- 赤⇨大きいベット(ポットの67%~500%以上)
全体の65%~100%がプレミアハンドで構成。
残りはブラフ。 - 青⇨スモールベット(ポットの10%~50%)
全体の51%~65%はシンバリューハンド、5%~10%はプレミアハンドで構成。
残りはブラフ。 - 黒⇨チェック
多くはショーダウンとノーショーダウンバリューハンド、5-10%はプレミアムハンド(OOP)で構成。
大きなベットはブラフとプレミアハンドで構成されていて、シンバリューハンドは入ってきません。
スモールベットは、シンバリューハンド、プレミアハンドとブラフで構成されています。
なぜスモールベットにプレミアハンドが入ってくるかというと、相手にレイズされた時用に残しておくからです。
この考え方と同じように、チェックレンジにも相手にベットされた時用にプレミアハンドを残しておきます。

この表で見ると、あなたはブラフをスモールベットサイズのときに全体の5%~10%ほど混ぜ、ラージベットサイズのときにもっと頻繁にまぜます。
ラージサイズのときの割合が高いのは、相手に大きなベットをコールしてもらえるようにするためです。
次の段落でその計算方法についてみていきます。
リバーベット攻略④レンジからブラフの%を割り出す
一般的に、あなたが大きなサイズを使えば使うほど、ブラフの割合を増やしてよいことになります。
最終的に比率が1:1(50%がブラフで50%がバリュー)になると、ベットサイズは無限です。
方式
レンジのブラフ%=対戦相手のコール÷勝った時にもらえるトータルポット
簡略化した式はこちら。
bluff % =相手のcall額 /(トータルpot )
ポットオッズの計算式例。
例えば、あなたは100bbのポットに33bbベットしました。
この場合、このベットにあなたはどのくらいブラフを混ぜなければいけませんか?
式「33bb(相手がコールに必要なbb)/166(100bb+33bb+33bb)=0.198」
約20%の割合であなたはブラフを混ぜるべきという計算結果です。
ポット0.1xのスモールベットをするとき、8%はブラフ。
ポット0.5xのスモールベットをするとき、25%はブラフ。
ポットベットをするときは、33%はブラフ。
ポット3x(300%)ベットをするときは、43%はブラフ。
このようなブラフ比がバランスがとれた比率になります。
(図では下に行くほどベットサイズが大きくなり、ブラフ比率が増えている)
このブラフ比にすると、あなたはナッツハンドを守ることができるのです。

「500/100+500+500=0.495…」
ポットの500%ベットをいきなりしても、あなたが半分はブラフをする人だと知られていれば、受けた相手はコールします。

ブラフの%を下げる要素
対戦相手にトラップが多い場合、私たちはブラフを少なくします。
相手のトラップはあなたのポラライズされたバリューレンジを打ち負かしてしまうからです。

特に相手のレンジにトラップがたくさんあるとき、私たちはブラフを少なくします。
具体的なトラップ
- 相手が大きなナッツアドバンテージを持っているとき。
(特にモンスターハンド。GTO分析でも強すぎるときにコールのみやチェックなどがある。) - 相手がレンジアドバンテージを持っているとき。
(相手がレンジ優位なのにベットしないとき。) - 小さなベットサイズ。
(多くのハンドがバリューによりがち。) - プレイヤーがスロープレイで知られているとき。
(まくられないナッツハンドなどはスロープレーが多いなど。)
具体的に減らす%。
下の段の白いカッコで囲われている箇所分、ブラフを減らします。
トラップ傾向が相手にあるときはブラフを少なくしてチェックとコールを増やしましょう。
相手に強いハンドが潜んでいるとき、この図のバリューベットの多くが負けているハンドになります。
トラップがある場合、私たちが見積もっているグラフが違ってきてしまうのです。

>>コーリングステーションをクラッシュする秘密
リバーベット攻略⑤レンジからリバーカードの影響を見る
一般的に、次のように考えます。
リバーカードの対応
- ナッツアドバンテージのある良いリバー⇨大きなサイズのブラフ%を増やす。
- ナッツアドバンテージのない良いリバー⇨小さいサイズのブラフ%を増やす。
- 悪いリバー(相手のレンジにとって良いリバー)⇨チェックを増やす。
- 悪いリバー(相手のトラップを作りそうなリバー)⇨ブラフを少なくする。
あなたにとって良いリバーはあなたのベットを増やし、悪いリバーはチェックを増やします。
リバーカードによる具体例
BBがコール。フロップ「A♦2♥8♣」
BTNは0.33xのCB。
BBコール。ターン「9♠」
チェックチェック。
リバー「K♦」
BBはリバーでチェック。ボード「A♦2♥8♣9♠K♦」このとき、BTN「Q♦J♦」はQハイでしかありません。
BTNがブラフをすると決めた場合、大きなサイズをベットしますか?小さなサイズをベットしますか?
レンジ全体とリバーカードを見ていきます。
リバー「K♦」はあなたのレンジにとって良いカードです。
全体をみれば、ナッツアドバンテージもあなたにあります。(2ペアやセットなど)
レンジとカードの考察結果から、もしブラフを選ぶとしたら大きなサイズのブラフを選びたいボードです。

リバーベット攻略⑥⑦ハンドからベットとチェックを判断し、サイズも決める
この段落では質問の⑥(このハンドはベットするか、チェックするか。)と⑦(もしバリューベットを打つとしたらこのハンドはどのくらいのサイズを打つべき?)の2つを扱っていきます。
フローチャートで見ていきます。
①あなたのハンドはベストハンド(コールされた時65%以上のエクイティがある)?
- YES⇨対戦相手は大きなサイズベットにコールできそうなハンドを持っている?
YES⇨大きなサイズでベット。
NO⇨次のステップに。 - NO⇨次のステップに。

次のステップ。
あなたのハンドはシンバリューハンド(コールされた時51%以上のエクイティがある。薄いバリューが取れるハンド)?
- YES⇨小さいサイズでベット。
- NO⇨私のバリューレンジのバランス的にブラフを打つ必要がある?
NO⇨チェック
YES⇨ブラフ決定チャートへ。
フローチャートでイエスだといっても、時々はバリューベットにもバランスのために小さいサイズを混ぜたり、チェックを混ぜたりしましょう。
バランスで強いハンドを混ぜることによって相手のレイズに対してレンジを守れるようになります。
リバーベット攻略⑧ハンドからブラフを決める
>>ブラフ決定のフローチャート
多くのプレイヤーはリバーでのブラフ、特にポットオーバーブラフを恐れています。
なので、リバーでアグレッションをあげることで、相手をオーバーフォールドさせるエクスプロイトを身につけましょう。
もっとバランスの取れた方法でどのようなブラフをすべきかを学んでいきます。
ブラフを学んだレベル。
- NO balance「バランスがない」
リバーでブラフすべきではなく、バリューだけを打つと良い状態。 - Unbalanced「バランスが悪い」
リバーブラフをするための明確なロジックがない状態。 - Somewhat Balanced「ややバランスが取れている」
適度に、最も明らかな場面でリバーブラフができる状態。 - More balanced「よりバランスが取れている」
心持ちリバーブラフが効果的な場面でもできる状態。 - Well-Balanced「バランスが取れている」
必要に応じて明らかでない場面でも追加してブラフができる状態。 - Perfectly Balanced「パーフェクトなバランス」
必要に応じて明らかでない場面でも熟練してブラフをする状態。
GTO戦略をほぼ網羅しているプレイヤー。

自分がどの段階にいるのかもチェックしていきましょう。
ポジションによるブラフの違い
ポジションによってリバーベットがどのように変わるのかを見ていきます。
IP(インポジション)の場合
IPはアクションを再開するのに、コストがないわけではありません。
(コスト例⇨OOPがレイズすれば、IPはフォールドしなければいけないコストなど。)
それらのコストを考えつつ、IPはリバーのベットサイズを決めます。
このときに考えたいのがSPR。
(Stack to Pot Ratioの略)
参加者の最小スタック÷ポット
- SPR1以下⇨IPは大きなサイズだけ(オールイン)を使います。
- SPR1以上⇨スモールベットサイズを使うとき、OOPよりベットサイズを大きくします。IP(0.5x)>OOP(0.33x)
OOPからのレイズ対策のため、サイズがより大きくなります。

OOP(アウトオブポジション)の場合
OOPは決してアクションを閉じてはいけません。
OOPはリバーの多くのボードでレンジアドバンテージを持ちます。
もしチェックしたとしても、IPにベットされればレイズをする機会をもっています。
OOPのベットサイズで気をつけること
- OOPのシンバリューハンド(弱めなバリュー)のベットサイズは小さくします。
- 小さいベットサイズは10%~33%。
- 特に良いリバーだった場合、OOPは小さいサイズのベットを使います。
- チェックしたレンジにもバリューとブラフのチェックレイズを加えます。
IPのベット対策として、いくつかのプレミアハンドもあなたのチェックレイズレンジに加えます。
バリューのチェックレイズをするときは、あなたのレンジのもっとも上位(100%に近い)に位置するものだけにしましょう。
対戦相手のベットが多いと感じたら、もっとチェックレイズ頻度を増やします。
OOPのチェックレイズブラフ
チェックレンジにはいくつかのバリューとブラフを含みましょう。
次の質問はチェックレイズをするときに考えたいことです。
OOPのチェックレイズブラフ決定チャート
- もしチェックチェックでまわったら、ショーダウンバリューがありますか?
- 対戦相手のレンジはキャップ(強さが制限)されていますか?
- あなたのハンドはコールするには弱すぎますか?
- リバーであなたの対戦相手のハンドを進展(インプルーブ)させるのをブロックしていますか?
YESが多い場合にチェックレイズを行います。

ショーダウンバリューがある場合に、あなたはブラフをする必要がありません。
しかし、あなたはチェックしたけれど、相手はベットしてきました。
その場合に、あなたのハンドはほぼ勝ち目がありません。
なので、そのハンドがチェックレイズブラフの候補になります。

チャートと照らし合わせると、リバーでペアになったあなたのハンドなどはよいチェックレイズブラフ候補になります。
(対戦相手の2ペアをブロック)
チェックレイズは3倍かオールインが典型的サイズです。
チェックレイズブラフの具体例が、動画38分ほどのところから展開されていきます。
ここでは扱いませんが、リバーで落ちたカードによってブラフするのに向いているかいないか、という解説があります。
他にも、相手がブラフをしてきた場合のブラフキャッチについてはこちらでまとめています。
>>ブラフキャッチのフローチャート
リバーベット攻略まとめ
まとめます。
- リバーのバリューベットのサイズ分けはいくつ?
⇨小さいサイズと大きいサイズの2つ - サイズの具体的な数値は?
小さいベットサイズ「ポットの10%~50%」
大きなベットサイズ「ポットの67%~」 - レンジをどのくらい正確に構成すべき?(カテゴリー分けと構成)
カテゴリーを4つに分ける。
構成(大きいベット・小さいベット・チェック)にカテゴリーを当てはめる。 - 何パーセントのブラフが必要?(サイズごと)
略式:bluff % =相手のcall額 /(トータルpot )
相手にトラップがある場合は%を下げる - リバーカードはレンジとエクイティにどのように影響?
リバーカードの分類分けをする - このハンドはベットするか、チェックするか。
ベットとチェックのフローチャートへ - もしバリューベットを打つとしたら私のハンドはどのくらいのサイズを打つべき?
ベストハンドでも小さいベットやチェックがある。 - もし私がブラフを打つとしたら、なぜ私はこのハンドをブラフに選んだのか?
ブラフ決定のフローチャートへ
これら8つの質問はあくまでリバーの基礎知識です。
